日本人の国民病ともいわれている辛い肩こり。
実は、肥満体型の人ほど肩こりが悪化しやすいといわれていて、体型が関係しているとも考えられているのです。
日常生活にも影響を与えるので、なんとかしたいと思う人も多いはず。
そこで今回は、肥満と肩こりの気になる関係と対策を紹介していきます。
肥満体型で肩こりに悩んでいる人は、ぜひチェックしてくださいね。
肥満と肩こりに関係はあるのか?
「肥満と肩こりって関係あるの?」と思う人が多いかもしれませんが、無関係ではありません。
日本人は頭が大きく重たいのですが、それに伴わず頭を支えるための肩周りや首の骨格が華奢なので、多くの負担が肩に行ってしまうのです。
肥満体型の人はその他にもたくさんの原因が重なって肩こりが起きていることが多いので、特に多い原因について詳しく見ていきましょう。
腰に負担がかかっている!
肥満体型の人は、腰に負担がかかることで肩こりにつながっているということもよくあります。
「なぜ腰の痛みが肩こりにつながるのか?」と疑問を持つ人もいるかもしれませんが、腰が痛くなると背中を丸めるので自然と猫背気味になり、頭が前に突き出てしまいます。
すると肩が内側に入ってしまうので、肩の筋肉が使われず凝り固まって肩こりが起きてしまうのです。
運動不足により筋肉が固まっている!
学生のころとは違い、社会人になると意識的に運動をしなければどんどん運動不足になり、身体にさまざまな不調をきたします。
特にデスクワークの人は1日の大半を座って過ごすことになるので、より深刻な状態になることもあるでしょう。
運動不足が続くと筋肉が使われなくなり、その部位の筋肉は凝り固まってしまうのですが、それが肩こりにつながる原因です。
胸にも脂肪がたまり前屈みになりやすくなる!
肥満体型の人は胸にも脂肪がつくので、重さに耐えきれずにどんどん前かがみになっていきます。
そのため頭も前方に傾き、バランスを取るために肩に力が入り肩こりを起こしやすくなるのです。
胸に脂肪がつくのでカップアップしたと勘違いする人が多いですが、それはお腹や腰回りにつききれなくなった脂肪。
肩こりを悪化させるだけなので、早めに対策を行いましょう。
筋肉量が低下して姿勢が悪くなる!
脂肪が多くなると動くのが億劫になり、どんどん運動をしなくなりますよね。
すると筋肉量が低下して身体を支えきれずに姿勢が悪くなります。
猫背になる人と反り腰になってしまう人に分けられるのですが、どちらも肩こりを助長する原因です。
血行が悪くなっている!
肩周りの筋肉が凝り固まることで全身の血行が悪くなり、肩こりが酷くなってしまうことも。
血行が悪いと老廃物や不要な水分が排出されにくくなるので、さらに太りやすくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
糖質の摂りすぎによる虫歯!歯の噛み合わせも関係する!
糖質が多い食品を食べすぎると虫歯になってしまい、噛み合わせにも影響してきます。
虫歯になると歯が欠けるほかにも痛みが出てしまうので、噛む歯が偏ってしまいかみ合わせが悪くなる傾向に。
人間の噛む力というのはとても強いもので、特に下顎の筋肉は体重の2倍ほどの力があるとも言われています。
上下の歯の噛み合わせが悪いと噛むときの負荷が顎の筋肉から首や肩に伝わり、筋肉が緊張状態に。
肥満体型の人は糖質の摂りすぎによって体重増加を引き起こしていますので、虫歯や体重増加を防ぐためにも食べる物の種類や量を見直さなければなりません。
肩こりを治すには痩せるしか方法はないのか?
辛い肩こりを治すにはダイエットが最も効果的ですが、すぐに体重を落とせる人は少ないでしょう。
急激にダイエットをするとリバウンドの原因にもなるので、計画的に体重を落とす必要があります。
肥満体型の人が行える肩こり対策を紹介していきますので、取り組みやすいものから始めていきましょう。
【少しずつ】ダイエットをすることが大切!
「ダイエット」というと急激に体重を落とさなければならないと思う人が多いかもしれませんが、正しいダイエットは「少しずつ体重を落とす」ことが大切です。
急激に体重を落とすと脳が「飢餓状態になった」と勘違いして、摂取した栄養素をすべて溜め込むようになります。
そうなるとあまり食べていないのに太るという状況になるので、痩せるのが難しくなってしまうのです。
少しずつ体重を落とすことで脂肪の重さによる身体の負担も軽減し、肩こりも徐々に治まるでしょう。
血行の流れを良くする!(温熱療法)
肩こりによる不快感が特にひどい部分を温めるのが温熱療法です。
慢性の肩こりに効果的で、筋肉の緊張を緩めて血行を促進します。
身体が冷えやすい冬場は特に筋肉が緊張して凝りやすいので、温めて肩こりを改善していきましょう。
温熱療法はホットパックや赤外線治療機などの方法がありますが、自宅で簡単に行えるものはホットパックと入浴です。
ホットパックは温めたタオルやカイロなどを肩に置いておくだけなので、忙しい人でも簡単に行えます。
ただし、同じ場所に置き続けると低温やけどになることもあるので、温度に注意して長時間行わないようにしてくださいね。
入浴の場合は、38~41度のお湯に肩まで20分程度浸かるようにしましょう。
運動を取り入れて筋肉に刺激を与える!
適度な運動は肩こりを和らげるほかにも、根本の原因となっている肥満にもとても効果を発揮してくれます。
肩周りの筋肉を重点的にほぐしてもいいのですが、慢性的な運動不足の人は全身に効く運動を行うことで、血流が良くなって肩こりが改善することも。
まずは簡単に取り組めるスクワットなどを行い、動くことに慣れてきたら軽いウォーキングなどを15~30分程度行ってみてくださいね。
肩甲骨はがしが効果的!
「あまり運動はしたくないけど、肩こりは改善したい……。」という人は、肩甲骨はがしを行って重点的に肩の筋肉をほぐしてあげましょう!
肩甲骨を動かすには、「菱形筋(りょうけいきん)」と「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」に働きかけて、筋肉を柔らかくする必要があります。
- 両肘を曲げて肩の高さまで水平に上げます
- そのままの状態で、肩甲骨を後ろに引き寄せます
- 元の位置に戻して、一連の流れを5回行ってください
- 1と同じ体勢になり、そのまま両肘を上に向かって上げていきます(腕でVの字をつくるイメージ)
- その位置のまま肩を後ろに持っていきます
- 肩甲骨を寄せたまま肩をゆっくりと後ろに回しておろします
- この流れを5回行い、朝と夜に1セットずつ行いましょう
正しい姿勢を意識する!!
姿勢が崩れると頭が前に突き出てしまうので、バランスを取ろうとして肩に負担がかかります。
それにより肩こりがひどくなることが多いので、「姿勢が悪くなっている」と感じたら、その都度正しい姿勢を保つようにしましょう。
特に多いのはデスクワークが続く人の猫背で、パソコンや机に長時間向き合うことで前方に丸まるような姿勢になっていきます。
肩の他にも首にも影響を与えるので、姿勢をまっすぐ正して座るようにしてくださいね。
肩こりの原因を予防しながらストレスフリーな生活に!
今回は、肥満体型の人の肩こりの原因と改善法を紹介しました。
辛い肩こりは誰でも経験したことがあるものですが、肥満の人は脂肪の重みが加わるのでさらに苦痛に感じることも。
肥満体型の人の肩こりの改善法は、
- 少しずつダイエットをする
- 温熱療法で血行を促進する
- 適度な運動を取り入れる
- 空き時間に肩甲骨はがしを行う
- 常に正しい姿勢を意識する
などがあるので、取り組みやすいものから始めてください。
慢性的な肩こりはストレスの原因にもなり、ほかにもさまざまな悪影響を及ぼします。
早めの対策をとって、快適な毎日を過ごしましょう!