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妊娠中に体臭が強くなるのは発汗が原因|ワキガや汗のにおい対策を解説

妊娠後、ワキガになった。臭いが発生する原因と3つの対策法

妊娠中はホルモンバランスの変化によって発汗量が増え、体臭が強くなることがあります。
脇や胸元、足など汗がこもりやすい部位では、ワキガのようなにおいを感じることもあります。
この記事では、妊娠中に起こる体臭の原因と仕組み、出産後の変化、妊婦でも安心して実践できる対策方法について詳しく解説しています。

妊娠中の体臭は発汗が主な原因

妊娠中に体臭がきつくなったと感じる人は多く、その大きな原因のひとつが発汗の増加です。
妊娠すると「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が増加し、体温が上がりやすくなります。

体温が高くなることで体は熱を逃がそうとして汗をかきやすくなり、この汗が皮膚表面の菌と反応してにおいを発生させます。

特に脇・胸元・足など、衣類で覆われて通気性が悪く、汗がこもりやすい部位ではにおいが強く感じられる傾向があります。
妊娠初期から後期にかけてこの傾向は続き、多くの妊婦さんが「いつもより体臭が気になる」と感じやすくなります。

なぜ妊娠中の汗は臭いが強いのか

妊娠中の汗が特に臭いやすく感じるのは、量だけでなく質にも変化があるためです。
アポクリン腺という特殊な汗腺の働きが一時的に活発になり、通常よりもにおいの強い汗が出ることがあります。
また、皮脂や常在菌のバランスも崩れやすく、においの元が増える要因となります。

アポクリン腺の活性化になっている

汗を出す汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。

アポクリン汗腺とエクリン汗腺の比較画像

エクリン腺は全身に分布し、体温調節のための水っぽい汗を出すのが特徴で、基本的ににおいはありません。
一方、アポクリン腺は脇や陰部など限られた場所に集中しており、脂質やたんぱく質を含んだ濃い汗を分泌します。

このアポクリン汗は、皮膚の常在菌によって分解されることで、独特なにおいを発生させる原因になります。
妊娠中はホルモンバランスの影響でアポクリン腺の働きが一時的に高まり、ワキガのようなにおいを感じやすくなることがあります。

皮脂や菌のバランスが変わることで体臭が強くなる

妊娠中は女性ホルモンの変化によって皮脂の分泌が増えやすくなります。
皮脂が過剰になると、皮膚表面にいる常在菌のバランスが崩れやすくなり、本来は無臭に近い汗や皮脂が、菌によって分解されることでにおいを発生させやすくなります。

さらに、つわりや食事制限によって腸内環境が乱れると、消化不良や便秘が起きやすくなり、体内の老廃物が皮膚や汗を通して排出されやすくなります。
このように、体の内側と外側の要因が重なることで、普段よりも体臭が強く感じられる状態になってしまうのです。

妊娠をきっかけにワキガ体質になる人もいる

妊娠をきっかけに、「これまで気にならなかったのに、脇のにおいが急に気になるようになった」という人もいます。
これは妊娠中に増える女性ホルモンの影響でアポクリン腺の分泌が活発になることで、においの強い汗が出やすくなるためです。

また、元々軽度のワキガ体質だった人が、妊娠を機にその症状が目立つようになるケースもあります。
ただし、殆どの場合は出産後にホルモンバランスが落ち着けば、においも自然と軽減されていきます。

出産後はホルモンが安定し体臭も治る

妊娠中に増加していた女性ホルモンは、出産とともに急激に減少します。
特にプロゲステロンやエストロゲンといったホルモンが落ち着くことで、体温や発汗量が徐々に安定し、妊娠中に強く感じていた体臭も軽減されていくのが一般的です。

ただし、産後の体臭は一律に消えるわけではなく、個人差があり、育児や母乳分泌の影響を受けて一時的ににおいが強まるケースもあります。
ホルモンバランスの変化は心身にさまざまな影響を及ぼすため、出産後も体臭が気になる場合は、焦らず時間をかけて様子を見ることが大切です。

プロゲステロンの減少で発汗が抑えられる

妊娠中に増えていたプロゲステロンには、体温を上げたり水分を保持する作用があります。
このホルモンが産後に急激に減ることで、体温は少しずつ通常の状態に戻り、過剰だった発汗も落ち着いていきます。

発汗量の安定は、汗臭や皮脂臭の軽減につながるため、妊娠中のような強い体臭は自然と収まっていくケースがほとんどです。
この変化は産後1~3ヵ月の間に現れることが多いですが、個人差もあるため、焦らず自分のペースで見守ることが大切です。

一部はアポクリン腺が発達し継続することもある

妊娠中のホルモン変化によって、もともと目立っていなかったアポクリン腺が発達し、体質としてワキガ傾向が定着するケースもあります。
その場合、産後しばらく経ってもワキのにおいが残ることがあります。

また、産後の母乳分泌はホルモンの再変動を引き起こし、乳腺や胸まわりの皮脂分泌量が一時的に増えるため、乳房付近のにおいが気になる人も少なくありません。

さらに、睡眠不足・ストレス・育児疲労が自律神経に影響を与えることで、汗腺のコントロールが乱れ、においが強まることもあります。
ワキガが継続して気になる場合は、セルフケアと並行して医療機関での相談も選択肢のひとつです。

妊娠中でも実践できる体臭とワキガの対策方法

妊娠中は体調が不安定で、使えるアイテムやできるケア方法も限られています。
そのため、安心・安全を前提としたシンプルな対策が基本になります。

ここでは妊婦さんでも取り入れやすく、かつ効果の高い対策方法を3つに絞って紹介します。

  • 無香料のデオドラントで汗とにおいを抑える
  • 汗をこまめに拭き取り菌の繁殖を防ぐ
  • 体内環境を整える食事でにおいにアプローチする

無香料のデオドラントで汗とにおいを抑える

妊娠中は香りに敏感になる方が多く、香料付きの制汗剤はつわりや不快感の原因になることがあります。
そのため、香りのない無香料タイプを選ぶのが基本です。

デオドラント製品の中には、汗腺を物理的にブロックして汗の量を抑える制汗成分(例:塩化アルミニウム)や、菌の繁殖を防ぐ殺菌成分が配合されているものもあります。
使用前は肌の状態を確認し、できればパッチテストをしてから脇や胸下など臭いがこもりやすい部位に使いましょう。

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汗をこまめに拭き取り菌の繁殖を防ぐ

汗をかいたままにしておくと、皮膚表面の菌が汗に含まれる皮脂やたんぱく質を分解し、においの原因になります。
そのため、汗をかいたら放置せず、なるべく早く拭き取ることが重要です。

外出時はアルコール不使用の汗拭きシートや濡れタオルを携帯しておくと安心です。

特に、脇・胸元・首まわり・足など、蒸れやすい部位は優先的にケアしましょう。
清潔に保つことは、におい対策だけでなく肌トラブルの予防にもつながります。

体内環境を整える食事でにおいにアプローチする

食事は体臭に大きな影響を与えます。
高脂肪・高タンパクの食事は皮脂の分泌を促し、体臭やワキガの原因となることがあります。

妊娠中は赤ちゃんの成長にも配慮しつつ、できるだけ動物性脂肪を控えめにし、魚や豆類などの高たんぱく・低脂肪な食材を取り入れるのがおすすめです。

また、においを抑える効果があるとされるビタミンC、ポリフェノール、β-カロテンなどを含む緑黄色野菜や果物も積極的に取り入れましょう。
内側から体を整えることで、体臭ケアと健康管理の両方を叶えることができます。

妊娠中の体臭は一時的なものとして気にしすぎないことも大切

妊娠中の体臭はホルモンや体の変化による自然な現象です。
ほとんどの場合、出産とともに落ち着くため、過度に不安になる必要はありません。

無理のない範囲で対策をとりながら、赤ちゃんと自分の健康を第一に考えて過ごしましょう。

この記事の参考サイト

汗にも種類がある:KAO
腋臭症(ワキガ)はどんな病気ですか? : 皮膚科Q&A
女性ホルモンとは?妊娠中の変化と役割【医師監修】 : ヒロクリニック