生理前や生理中に喉の痛みや扁桃腺の腫れが気になる方へ。
PMSによる免疫力の低下が原因で、喉にイガイガや炎症を感じやすくなることがあります。
本記事では、生理に関連する喉の不調の原因5つ(PMS、扁桃腺炎、風邪、咽喉頭異常感症、花粉症)とその見極め方、さらに市販薬・加湿・睡眠などの具体的な対策方法をわかりやすく解説しています。
生理前・生理中に喉がイガイガする原因5つ!見極め方を解説

生理前に喉がイガイガする時、考えられる原因は5つあります。
- PMS
- 咽喉頭異常感症
- 扁桃腺炎
- 風邪による喉の炎症
- 花粉症
PMS(月経前症候群)
生理前・生理中に扁桃腺が腫れて痛みがでるのは「PMS(月経前症候群)」の症状の1つだと言われています。
PMS時には下記のような風邪に似通った症状が見られます。
- 体のほてり
- 疲労感
- だるさ
- 頭痛
- 腰痛
- 貧血
これらの症状は生理前・生理中の免疫力の低下によって引き起こされます。
生理前になると黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増え、女性の体は妊娠をする準備を始めるため、体の栄養素が普段よりも多く消費されるため免疫力が低くなってしまいます。
その結果ウイルスや細菌に感染しやすくなってしまい、扁桃腺が炎症を起こして腫れてしまうことが考えられます。
【見極めポイント】PMSによる喉の渇き・イガイガの特徴
以下のポイントに当てはまった人は、PMSの可能性があります。
- 毎月の生理前(排卵後〜月経前)に繰り返す
- イガイガ、違和感程度が多い
- 基礎体温上昇に伴う微熱がある
- 喉に軽度の赤み、腫れがある
- 生理開始とともに徐々に軽快する
- 毎月同じ時期、パターンがある
咽喉頭異常感症の可能性
喉のイガイガの他に、
「喉に何かつかえている感じ」
「物が飲み込みづらい」
という症状を自覚する人は「咽喉頭異常感症」という病気になっている可能性があります。
咽喉頭異常感症はヒステリー球とも呼ばれており、普段は特に症状がなくても、飲食時や唾液を飲み込む時などに症状が現れることもあります。
特定の時間帯に出たりストレスを感じた時だけ強い症状が出たりと、症状の出方に個人差が大きい病気です。
ストレスをため込みやすい人や、責任感が強い人、我慢強い人が発症しやすい傾向にあり、まだ不明な点が多い病気ため、耳鼻咽喉科や内科を受診しましょう。
【見極めポイント】咽喉頭異常感症による喉のイガイガの特徴
以下のポイントに当てはまった人は、咽喉頭異常感症の可能性があります。
- 喉に異物感やつかえ感がある
- 物が飲み込みづらく感じることがある
- ストレスや緊張を感じると症状が強くなる
- 喉に実際の炎症や腫れは見られないことが多い
- 検査で異常が見つからないが自覚症状がある
- 責任感が強く、ストレスを溜め込みやすい傾向がある
扁桃腺炎
生理前・生理中や生理中に喉が強く痛んだり、飲み込むときに違和感を覚える場合、扁桃腺炎を起こしている可能性があります。
扁桃腺はウイルスや細菌と戦う免疫器官の一部ですが、生理前はホルモンバランスの変化により免疫力が低下し、扁桃腺が炎症を起こしやすくなることがあります。
特に、普段から風邪をひきやすい方や、のどが弱いと感じる方は要注意です。
症状が悪化すると高熱や膿を伴うこともあるため、痛みが強い場合は無理せず耳鼻咽喉科などの受診を検討しましょう。
【見極めポイント】扁桃腺炎による喉のイガイガ・痛みの特徴
以下のポイントに当てはまった人は、扁桃腺炎の可能性があります。
- 喉の奥がヒリヒリ、強く痛む
- 飲み込むときに激痛を感じる
- 高熱(38℃以上)や寒気を伴う
- 鏡で見ると扁桃腺が赤く腫れていたり、白い膿がついている
- 声がかすれる、喉の奥に違和感が続く
- 喉の片側だけが腫れることもある
風邪による喉の炎症
PMS症状と風邪症状はとても似通っています。
生理前は基礎体温も高くなるので、ほてりや喉の痛みだけではすぐには判別しづらいものです。
平熱に関しても個人差があるため、一概に「○○℃以上の熱があれば風邪!」と言えるものでもありません。
妊娠の可能性も否定できませんので、生理周期やその他の症状がないか確認してから市販薬を使用するようにしましょう。
【見極めポイント】風邪による喉のイガイガ・不調の特徴
以下のポイントに当てはまった人は、風邪による喉の炎症が疑われます。
- 急に喉が痛くなったり、イガイガし始めた
- 咳や鼻水、くしゃみといった他の風邪症状がある
- 家族や職場などで風邪が流行っている
- 発熱や体のだるさも感じる
- のどが赤く腫れている、ヒリヒリする
- 数日で症状が悪化する傾向がある
花粉症が重なっている
花粉症でも喉の痛みを自覚する人が居ます。
考えられる原因は、吸い込んだ花粉が喉の粘膜を刺激して起こるアレルギー症状と、鼻づまりからくる口呼吸による喉の乾燥です。
花粉症で代表的なのは杉やヒノキであり、だいたい1月下旬から5月いっぱいがシーズンとされています。
この時期は花粉症を自覚していなくても、マスクをしたりうがいをこまめに行ったりといった対策をしましょう。
【見極めポイント】花粉症による喉のイガイガ・乾燥の特徴
以下のポイントに当てはまった人は、花粉症の影響で喉に不調が出ている可能性があります。
- 春や秋など、特定の季節に毎年症状が出る
- 喉だけでなく、鼻水・目のかゆみもある
- くしゃみや鼻づまりがひどく、口呼吸になる
- 喉の乾燥感が強く、声がかすれる
- マスクをすると症状が和らぐ
- 市販の抗アレルギー薬を飲むと症状が軽くなる
【徹底解説】生理前・生理中の喉のイガイガを抑える方法6つ

それではここから、生理前・生理中の喉のイガイガを抑える方法を解説していきます。
- 食事で免疫力を維持する
- 良質な睡眠で体調を整える
- ストレスを軽減し自律神経を安定させる
- 喉の乾燥を防ぐ
- 市販薬で症状を和らげる
- 専門医を受診する
食事で免疫力を維持する
喉の痛みは、ウイルスや細菌による扁桃腺の炎症です。
免疫を高めれば症状が軽快しやすくなります。
効果的な食材は様々ありますが、こちらでは普段の食事に取り入れやすい食材をご紹介します。
- 善玉菌が腸内環境を整えてくれる、納豆・みそ・ヨーグルトなどの「発酵食品」
- ビタミンと食物繊維で免疫力・抵抗力を高める「根菜類」
- 体を温めて免疫力を高める「生姜」
以上がおすすめの食材です。
おすすめは、すべての食材を使用した「味噌汁」ではないでしょうか。
一度に摂取できて、しかも簡単なのでよかったら試してみてください。
良質な睡眠で体調を整える
睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、免疫力の低下を招いてしまいます。
特に生理前はメンタルが不安定になってしまって眠りが浅くなることもあるので、睡眠の質を意識してみましょう。
睡眠の質を向上させる為に、下記8つのポイントを意識して生活するのも有効とされています。
- 就寝前にスマホやPCを見ない
- カフェインやアルコールを避ける
- 朝は日光を浴びる
- ストレッチで体をほぐす
- お風呂に入って体を温める
- 寝具を調整する
- アロマオイルでリラックスする
- 7~9時間は眠る
質の高い睡眠をとる為に、私生活を見つめなおしてみましょう。
ストレスを軽減し自律神経を安定させる
ストレスを感じない生活をすることが理想ですが、現代社会ではそれは不可能です。
そのため、ストレスと上手く付き合う方法を見つけましょう。
効果的なのはスポーツやマッサージ。
体を動かしたりもみほぐしたりすることは、血流をよくして生理痛を緩和させる効果もあります。
もちろんそれ以外の趣味を楽しむことも効果があるので、休日は自分をメンテナンスする日と思ってストレス発散を意識した活動をしてみてはいかがでしょうか。
喉の乾燥を防ぐ
喉の乾燥を防ぐことも大切。
特に冬場は乾燥してしまい、喉の粘膜にウイルスや細菌が付着しやすい環境にあります。
喉を守るためにも、マスクを着用したり室内を加湿したりといった対策をしましょう。
また、タバコやアルコールも控えることをおすすめします。
これらは喉の粘膜に炎症を与えるものなので、控えるようにしましょう。
もしも摂取してしまった場合は、のど飴やスプレー薬で喉の炎症が起きる前に対処してください。
部屋の湿度は50~60%を保つ
理想的な室内湿度は50〜60%とされており、この範囲を保つことでウイルスの活動も抑制され、喉の不快感を予防できます。
湿度計を設置し、濡れタオルや加湿器を活用して、常に適切な湿度を維持しましょう。
以下は、今すぐ実践できる簡単な加湿法です。
- 加湿器を設置する
- 洗濯物を部屋干しする
- バケツや大きな容器にお湯をはっておく
市販品だと濡れマスクが特にオススメ
喉の渇きやイガイガ感が気になる方は、就寝時や外出時に「濡れマスク」を使うのがおすすめです。
特に生理前は粘膜が過敏になり、少しの乾燥でも不快感を覚えやすくなります。
市販の濡れマスクは内部に湿潤フィルターがあり、呼吸時に喉へやさしい湿気を届けてくれる構造になっています。
睡眠中の口呼吸や暖房による乾燥を防げるため、朝起きたときの喉の違和感の軽減にも効果的です。
市販薬で症状を和らげる
喉のイガイガや痛み、咳、微熱などが気になるときは、市販薬を上手に活用するのも一つの方法です。
薬剤師常駐のドラッグストアにいくなどして、専門家の意見を参考にしながら自分に合った市販薬を見つけましょう。
- トローチ
- スプレー薬
- 漢方薬(例:銀翹散・麦門冬湯など)
- 咳止めシロップ(咳を伴う場合)
専門医を受診する
喉の違和感や痛みが数日以上続く場合や、「強い腫れ、高熱、呼吸のしづらさ」などを感じた場合は、迷わず耳鼻咽喉科や内科などの専門医を受診しましょう。
PMSや生理周期によって起こる一時的な不調とは異なり、扁桃腺炎や咽喉頭異常感症、アレルギーなどの治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。
体も喉もゆっくり休ませてあげよう!
生理前の喉のイガイガは、免疫力の低下が原因であることが分かりました。
免疫力を低下させないよう、ストレスを発散させたり栄養のある食材を摂取したりするよう心がけてください。
また、辛い時は無理せずゆっくりと休むことをおすすめします。
生理に負けない体づくりをして、快適な生活を目指しましょう!

この記事の参考サイト
咽喉頭異常感症:恩賜財団済生会
急性扁桃炎:海老名こじろう耳鼻咽喉科
月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS):日本産科婦人科学会
最適な睡眠時間って何時間?:睡眠リズムラボ大塚製薬