デュタステリドは、従来のAGA治療成分「フィナステリド」と似た働きを持つ新しい成分です。
主にAGAへの治療効果が期待されており、現在注目を集めています。
今回の記事では、デュタステリドの特徴や働き、副作用や購入方法・相場についてご紹介します。
投薬治療を受けるにあたって成分の知識を持っておくに越したことはないので、ぜひ覚えておきましょう。
デュタステリドはフィナステリドより強いAGA治療の成分
デュタステリドは、AGA(男性型脱毛症)の治療に効果がある有効成分で、「ザガーロ」という名称で販売されています。
元々とは前立腺肥大症の治療薬として開発されていましたが、開発の過程でAGAへの効果も期待できることがわかり、AGA治療薬としても承認されることになりました。
デュタステリドには、男性ホルモン「テストステロン」を、より強力な男性ホルモンである「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換する酵素「5αリダクターゼ」の働きを抑える効果があります。
この酵素の働きを抑制することで、ヘアサイクル(毛髪の生え変わりの周期)が正常に整い、抜け毛の減少につながります。
フィナステリドでは治療が難しいM字ハゲにも効果がある
デュタステリドが頭皮に与える効果は、基本的にフィナステリドとほぼ同様です。
しかし、両者には明確な違いがあります。
それは、フィナステリドでは効果が出にくいとされる「M字ハゲ」にも、デュタステリドが有効である可能性があるという点です。
5αリダクターゼには「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の2種類が存在し、それぞれの分布部位が異なります。
- Ⅰ型5αリダクターゼ:髪の毛だけでなく、腕・脚・脇など、ほぼ全身の毛根に分布
- Ⅱ型5αリダクターゼ:前頭部・頭頂部・ヒゲなど、限られた部位に存在
デュタステリドとフィナステリドの大きな違いは、Ⅰ型5αリダクターゼにも作用するかどうかにあります。
フィナステリドはⅡ型5αリダクターゼのみに作用するのに対し、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型の両方の働きを抑制します。
そのため、フィナステリドでは効果が得られなかったM字ハゲの進行にも、デュタステリドは改善効果を示す可能性が高いと考えられています。
デュタステリドの臨床試験では患者の71.2%がAGAの改善を実感
日本国内のAGA患者を対象に行われた臨床試験では、デュタステリド0.5mgを服用した患者の71.2%にAGAの改善が認められました。
プラセボ錠(有効成分が入っていない偽薬)を服用した患者のAGA改善率は36%だったことから、デュタステリドのAGAに対する有効性が認められました。
デュタステリドの飲み方・使い方
デュタステリドは、1日1回1錠(デュタステリドとして0.5mg)を服用します。
血中濃度を一定にするため、毎日決まった時間に服用する事が推奨されています。
フィナステリドからデュタステリドに変更する方法
フィナステリドからデュタステリドに薬剤を変更する場合には、フィナステリドを辞めた次の日からデュタステリドを服用します。
食事の影響がない薬剤なので、特段気にする箇所や注意点などはありません。
スケジュールを守って服用を続けてみて下さい。
6ヵ月ほど服用を続けると効果が目に見えて現れます
AGA患者を対象に、デュタステリド0.1mgおよび0.5mgを1日1回、24週間継続して経口投与した臨床試験では、以下のような結果が報告されています。
- 服用開始から12週時点(約3ヵ月後)の血中DHT(ジヒドロテストステロン)濃度の変化
- 0.1mg服用群で約85.8%の減少
- 0.5mg服用群では約91.2%の減少
この結果から、早い方であれば服用開始から3ヵ月程度で効果が現れ始める可能性があると考えられます。
ただし、デュタステリドの添付文書(医薬品の公式使用説明書)には以下のように記載されています:
「投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。」
つまり、一時的な改善が見られても、それだけで効果を判断するのは早計です。
確実な効果を見極めるためには、最低でも6ヵ月間は継続服用することが重要とされています。
デュタステリドの副作用一覧
デュタステリドの主な副作用は以下の通りですが、どれも発現率や危険性は低いと言われています。
発生頻度 | 症状 |
---|---|
1%以上 | 性機能不全(性欲減退/リビドー減退、勃起不全、射精障害) |
1%未満 | 発疹、頭痛、抑うつ気分、乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)、腹部不快感 |
頻度不明 | 蕁麻疹、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、血管性浮腫、浮動性めまい、味覚異常、精巣痛、精巣腫脹、脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症、腹痛、下痢、倦怠感、血中CK増加 |
デュタステリドは男性ホルモンに働きかける成分が含まれているため、勃起不全や性欲減退といった男性機能への副作用が見られる場合があります。
そのため、妊活を行っている方はその旨を医師に相談してください。
また、極めて稀ではありますが、デュタステリドの服用によってビリルビンの上昇を伴う肝機能障害や黄疸といった症状が発現する可能性もあります。
発現する可能性は非常に低いものの、万が一発現してしまうと命に関わる危険性もあるため、定期的に検査を行うように心がけましょう。
その他、気力の低下やうつ症状、投薬のアレルギー反応による蕁麻疹が起こる可能性も考えられます。
デュタステリド服用開始時と比べて少しでも身体に異変を感じた場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。
デュタステリドの購入方法
デュタステリドの主な購入方法は、AGAクリニックでの処方です。
海外からの個人輸入といった方法もあります。
ここでは、デュタステリドの具体的な購入方法について詳しく解説しましょう。
- 専門クリニック処方してもらう
- 個人輸入代行サイトで購入する
専門クリニック処方してもらう
1つめの方法は、AGAクリニックで処方してもらうこと。
確実にデュタステリドが手に入りますし、すぐに服用を開始できます。
また、医師の診察によって自分の症状に合った医薬品を処方してくれるので、デュタステリドよりも合うものを処方してもらえる可能性もあります。
どうしてもデュタステリドを使いたいという方は、その旨を医師に伝えましょう。
実際に診察を受けてから医薬品を処方してもらう方が、安全性があって品質の良いものが手に入ります。
- 1ヵ月(30錠)の治療費相場:5,500~8,000円
- 1年の治療費:66,000~96,000円
個人輸入代行サイトで購入する
海外からの個人輸入でデュタステリドを手に入れる方法もあります。
自己責任ではありますが、クリニックに比べ安い価格でデュタステリドが入手できます。
AGA治療の費用を抑えたい、受診するのが面倒だと感じる方にオススメ。
信頼できる個人輸入代行サイトを利用すれば正規のデュタステリド製剤が入手できます。
何年運営しているサイトなのか、めちゃくちゃな価格設定ではないかなどを判断して輸入しましょう。
- 1ヵ月(30錠)の治療費相場:2,800円ほど
- 1年の治療費:2,300円

デュタライズ(ザガーロジェネリック) 0.5mg

アボダート(ザガーロ) 0.5mg
AGA改善率は71…
デュタステリドでM字ハゲの進行を食い止めよう
デュタステリドはヘアサイクルの正常化を促し抜け毛を予防する効果のある成分です。
フィナステリドよりも効果が高いと言われているため、フィナステリドを一定期間服用しても効果が出なかった方は一度試してみる価値があるかもしれません。
月に数千円程度で治療を行うことができるので、デュタステリドを服用してみたいと思った方はかかりつけの医師に相談してみてください。
この記事の参考サイト
医療用医薬品: デュタステリド
AGAとは?: AGAスキンクリニック
前立腺肥大症薬のデュタステリドが男性型脱毛症を改善: 日経ドラッグインフォメーション
お薬価格について: イースト駅前クリニック