まつ毛美容液でまつ毛を育てても、逆さまつげが治ることはありません。
逆さまつげを直したいのであれば、別のアプローチが必要です。
本文では、逆さまつげの原因から応急処置の方法、そして根本治療の内容について解説していきます。
逆さまつげの原因は主にまぶたの組織の湾曲
逆さまつげとは、まつ毛が内側に伸びて眼球に当たってしまっている状態を指します。
- 睫毛内反(しょうもうないはん)
- 睫毛乱生(しょうもうらんせい)
医学的には、逆さまつげは「睫毛内反」や「睫毛乱生」と呼ばれる症状です。
この症状の主な原因は、まぶたの組織が湾曲することにあります。
まぶたに外傷や炎症が起こると、それをきっかけに形状が変化し、まつ毛の生える向きにも影響を与えてしまいます。
まぶたが内側に湾曲すると、まつ毛も眼球側に向かって伸びるようになり、結果として逆さまつげが生じるのです。
まつ毛を育てても逆さまつげの根本的治療には至らない
まつ毛をケアして育てる「まつ育」で、逆さまつげが改善されるのではと考える方もいますが、残念ながらそれは誤解です。
むしろ、まつ毛美容液などを逆さまつげに使用すると、成分が目に入りやすくなり、炎症やかゆみなどを引き起こすリスクもあります。
まつ育では、逆さまつげの根本的な改善にはつながらないことを理解しておきましょう。
逆さまつげを治したい場合は、別のアプローチが必要です。
このあとの項目では、【自分でできる応急処置】と【医療機関で行う治療】に分けて詳しく解説します。
自分で実践できる逆さまつげの直し方【応急処置】
まずは、逆さまつげに困った時に自分ですぐ実践できる応急処置について解説します。
- ビューラーでまつ毛をカールさせる
- まつ毛パーマで上向きに矯正する
- 【危険】自分でまつ毛を抜くのはやめましょう
ビューラーでまつ毛をカールさせる
逆さまつげの応急処置として、ビューラーでまつ毛を外向きにカールさせる方法があります。
眼球側に向かって生えているまつ毛を、ビューラーで上向きに整えることで、一時的に目への接触を防ぐことができます。
カールがキープされている間は、チクチクとした不快感も軽減されるでしょう。
ただし、逆さまつげの根本原因は「まつ毛の向き」ではなく、まぶたの湾曲にあります。
そのため、ビューラーを使い続けても症状が改善することはなく、あくまで一時的な対処法である点に注意が必要です。
まつ毛パーマで上向きに矯正する
逆さまつげの応急処置として、まつ毛パーマでまつ毛の向きを上向きに矯正する方法もあります。
ビューラーと同様に、まつ毛の向きを強制的に変えることで、眼球への接触を防ぐ効果が期待できます。
ただし、まつ毛パーマは一度施術すれば毎日カールさせる必要がないというメリットがあります。
個人差はあるものの、1回の施術で3〜6週間ほどカールが持続すると言われています。
とはいえ、あくまで一時的な対処法にすぎません。
時間が経てばパーマはとれ、抜けた毛が再び内側に向かって生えてくる可能性もあります。
ビューラーよりは手間が少なくなりますが、逆さまつげを根本的に治すことはできないという点は理解しておきましょう。
ビューラー式
ビューラー式のまつ毛パーマは、パーマ液をまつ毛につけて、シリコン製のビューラー系器具で挟み込むことでカールを固定するパーマになります。
セルフでも簡単に施術できますので、初心者の方でも簡単にパーマをかけられます。
大体3~6週間ほど持続します。
ただし、下記のようなデメリットもあります。
- カールのムラやまつ毛が折れ曲がる可能性がある
- 目元の形やまつ毛の長さなどの個人差に対応はないため、デザイン性が低い
- 根元から立ち上げづらい
ビューラー式まつ毛パーマの相場は、1回あたり3,000円以下となっています。
低価格なので、出来るだけ予算を抑えたい方や、お試しでまつ毛パーマをかけてみたい方にオススメです。
ロッド式
ロッド式のまつ毛パーマは、パーマ液を塗ったまつ毛をロッドと呼ばれるまつ毛固定器を使ってカールをかけていくパーマになります。
目元に合わせた施術が可能なので、ビューラー式では不可能だった自然なカールが実現します。
大体3~6週間ほど持続します。
薬剤の塗布量の調整も可能なので、まつ毛へのダメージも減らせます。
下記のようなデメリットもありますので、念のため覚えておきましょう。
- 種類が多いため、上手に施術するまでには経験が必須
- 正確にカールできないとまつ毛が折れやすい
- セルフでの施術が難しいのでサロンに行くのが確実
ロッド式のまつ毛パーマの相場は、セルフだと1回あたり3,000円ほど。
サロンでお願いすると5,000~7,000円ほどかかります。
【危険】自分でまつ毛を抜くのはやめましょう
逆さまつげを自分で根本改善することは難しく、日々続くチクチクした感覚にストレスを感じるのはわかります。
しかし、だからと言って自分でまつ毛を抜くのは危険なのでやめましょう。
なぜなら、まつ毛を無理に抜くと眼球を傷つけてしまったり、まぶたに炎症を起こしたりしてしまうリスクが高いからです。
しかも、毛根に炎症が起きればまぶたの湾曲がひどくなり、逆さまつげが悪化するという負のスパイラルに陥る危険性もあります。
逆さまつげの根本治療【医療機関で行うもの】
逆さまつげを確実に治す根本治療がしたい場合、医療機関を受診して処置してもらうしか方法はありません。
医療機関で行われる逆さまつげの治療について、解説していきます。
定期的な通院による「抜去」
医療機関で行う逆さまつげの治療の一つが、「抜去」です。
眼球に当たってしまっている毛を、定期的に通院して医師に抜いてもらいます。
自分で抜くのとは違い、眼球を傷つけるといったリスクはありません。
ただし抜去の場合、すぐにできる手軽な治療ではありますが、下記のデメリットがあります。
- 抜いても2週間~1か月で伸びてくる
- 抜くときはかなり強い痛みを伴う
- まつ毛を抜いた部分は見た目的な違和感が出てしまう
定期的な通院が負担になる方や上記のデメリットが気になる方は、次に紹介する治療方法を検討しましょう。
眼科などでの「手術」や「電気分解・レーザー」
逆さまつげを根本的に、完全に治療するのであれば、眼科などで「手術」や「電気分解・レーザー」を受ける必要があります。
逆さまつげの本数が多く手術で治療する場合、埋没法や切開法でまぶたの湾曲を修正します。
眼科、もしくは形成外科は保険が適応されるため、3割負担であれば15,000円程度で治療が可能です。
美容外科で行っている逆さまつげの修正手術は保険適用外で、非常に高くついてしまうため注意が必要です。
逆さまつげの本数が少ない場合、手術をせずに電気分解やレーザーで毛根を破壊する治療法が選べることもあります。
局所麻酔によって痛みはなく、施術時間も10分程度と比較的気軽に治療が可能です。
ただし、まつ毛は生え代わりの周期があるため、何度か治療を繰り返す必要があります。
自分の逆さまつげの本数や度合い、希望に応じてどのような治療を受けるか選びましょう。
まずは、眼科か形成外科を受診してみてください。
まつ毛美容液や育毛剤は抜去後のケアに使おう!
まつ毛美容液や育毛剤は、逆さまつげの治療に役立つことはありません。
しかし、逆さまつげの抜去や治療の後に、まつ毛ケアの一環として使用するのはおすすめです。
逆さまつげを抜いて目立つスキマも、別の箇所のまつ育でごまかすことができるようになりますよ。
抜去や施術後すぐは美容液や育毛剤が毛穴や傷口に入り炎症を起こす可能性があるので、患部がしっかりと落ち着いてからまつ育を始めましょう。
この記事の参考サイト
内反症:日本眼科学会
睫毛乱生:池袋サンシャイン通り眼科診療所