生理中に感じる吐き気は、多くの女性が経験する悩みのひとつです。
生理によるホルモンバランスの変化やプロスタグランジンの過剰分泌など、さまざまな要因で引き起こされます。
本記事では、生理中に吐き気が起こる主な原因を解説し、自宅でできる効果的な対処法を紹介します。
吐き気を和らげ、生理期間を少しでも快適に過ごすため、本記事を参考にしてつらい症状を乗り越えましょう。
生理前・生理中は吐き気が起こりやすい!主な原因6選
生理前や生理中に吐き気が起こる主な原因は、次のとおりです。
- PMS(月経前症候群)
- 生理による症状
- 食べ過ぎやストレス
- 妊娠によるつわり
- ピルやミレーナの副作用
- カフェインの摂りすぎ
生理前や生理中は、吐き気以外にもめまいや貧血、胃痛や寒気を伴うこともあります。
それぞれの詳しい原因について、具体的に解説します。
PMS(月経前症候群)
PMS(月経前症候群)は生理の3~10日ほど前から現れる心身の不調で、生理が始まるとともに症状が和らぐのが特徴です。
その症状は多岐にわたり、吐き気もそのひとつです。
PMSによる吐き気の主な原因は、生理周期に伴うホルモンバランスの急激な変動と考えられています。
排卵後に分泌が増えるプロゲステロンというホルモンが、胃腸の働きに影響を与えることで吐き気を引き起こすことがあります。
また、ストレスや自律神経の乱れもPMSの症状を悪化させる要因となります。
吐き気以外にも、頭痛や腹痛、むくみ、イライラ、倦怠感などが同時に現れることも少なくありません。
生理による症状
生理中に吐き気が起こる主な原因は、子宮の収縮を促すプロスタグランジンという物質が過剰に分泌されることです。
プロスタグランジンは、経血を体外に排出する際に重要な役割を果たします。
しかし分泌が過剰になると胃腸の働きを活発にしすぎてしまい、吐き気や下痢といった症状を引き起こすことがあります。
また、生理周期に伴うホルモンバランスの乱れも自律神経に影響を与え、吐き気の原因となることがあります。
エストロゲンとプロゲステロンの急激な変動は、消化器系の不調につながりやすいとされています。
これらの要因が組み合わさることで、生理中のつらい吐き気が発生しやすくなるのです。
食べ過ぎやストレス
食べ過ぎやストレスは、生理前・生理中の吐き気の原因となることがあります。
過度な飲食、脂っこいものや刺激物、冷たいものの摂りすぎは胃腸に負担をかけ、吐き気を誘発しやすくなるため注意しましょう。
また、ストレスは自律神経のバランスを乱し、消化器系の働きに悪影響を与えるため、胃の不快感や吐き気につながることがあります。
生理中はホルモンバランスの変化で体がデリケートになっているため、これらの影響を受けやすくなります。
妊娠によるつわり
妊娠初期に現れるつわりも、吐き気の原因として考えられます。
つわりは妊娠によって分泌されるHCGホルモンが影響しているとされており、吐き気だけでなく、食欲不振や胃のむかつきなどを伴うことが多いです。
生理予定日を過ぎても生理が来ず、吐き気が続く場合は、妊娠検査薬の使用や医療機関への受診を検討しましょう。

ピルやミレーナの副作用
ピルやミレーナの副作用として、生理前や生理中に吐き気が起こることがあります。
服用開始初期や挿入初期に体が慣れるまでの期間は、ホルモンバランスの変化が原因で吐き気を感じるケースが見られます。
この吐き気は時間が経つにつれて軽減されることが多いですが、症状が続く場合は医師に相談し、対処法を検討してみてください。
消化器系の病気
消化器系の病気は生理前・生理中に吐き気を引き起こす可能性があります。
生理中はホルモンバランスの変化により体がデリケートになるため、普段は顕著でない消化器系の不調が表面化しやすくなります。
胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、過敏性腸症候群などの疾患があると、吐き気が悪化することが考えられます。
これらの病気による吐き気は、生理が終わっても続く場合や、生理とは関係なく起こる場合もあります。
生理中の吐き気がひどく、市販薬で改善しない場合は、消化器系の病気の可能性も視野に入れて医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
カフェインの摂りすぎ
生理前や生理中にカフェインを過剰に摂取すると、吐き気を引き起こすことがあります。
カフェインには血管を収縮させる作用や、胃酸の分泌を促進する作用があるため、生理中のデリケートな体に負担をかける可能性があります。
もともと胃腸が弱い方や、生理中に胃痛や吐き気を感じやすい方は注意が必要です。
吐き気だけでなく、頭痛や不眠を悪化させることもあるため、摂取量に気をつけましょう。
1日あたりのカフェインの摂取目安量は、健康な成人で400mgまで、妊婦・授乳中の方で200~300mgまでとされています。
生理前・生理中のひどい吐き気はとにかく安静に!主な対処法7選
生理前や生理中の吐き気がひどい場合、主な対処方法は次のとおりです。
- 安静にしてリラックスする
- 「内関」のツボを押す
- 強い生理痛を伴う吐き気には「ロキソニン」「イブ」
- 吐き気やめまいに効く漢方「半夏白朮天麻湯」を活用する
- 胃に優しい食べ物・温かい飲み物を摂取する
- 生理が1週間以上遅れている場合は妊娠検査薬を使用
- 症状がひどい場合は受診を検討
症状や体調に応じて、適切な対処方法を試してみましょう。
安静にしてリラックスする
生理前・生理中の吐き気には、安静にしてリラックスすることが有効です。
無理に動かず、横になったり座ったりして体を休めましょう。
深呼吸を繰り返すことで自律神経が整い、吐き気が和らぐことがあります。
また、心身のストレスは吐き気を悪化させる要因となるため、アロマを焚いたり、好きな音楽を聴いたりして、心穏やかに過ごす時間を作ることも大切です。
「内関」のツボを押す
生理前・生理中の吐き気には、「内関(ないかん)」のツボを押すことが有効です。
内関は手首の内側、手首のしわから指3本分くらい肘に向かって上がったところにあります。
親指でゆっくりと、心地よい程度の強さで数秒間押し、離す動作を数回繰り返しましょう。
ツボ押しは血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。
強い生理痛を伴う吐き気には「ロキソニン」「イブ」
生理前・生理中に強い生理痛を伴う吐き気が現れた場合は、「ロキソニン」や「イブ」が有効です。
これらの薬は、生理痛の原因となるプロスタグランジンの生成を抑えることで、痛みを和らげるだけでなく、それに伴う吐き気も軽減する効果が期待できます。
プロスタグランジンが胃腸の働きを過剰に促して吐き気を引き起こしている場合には、鎮痛剤の作用が直接的に効果を発揮しやすいです。
薬を服用する際は用法・用量を守り、持病がある場合や他の薬を服用中の場合は、薬剤師や医師に相談しましょう。
吐き気やめまいに効く漢方「半夏白朮天麻湯」を活用する
生理前や生理中に吐き気やめまいがひどい場合、漢方薬の「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」が有効です。
この漢方は胃腸の働きを整え、体内の余分な水分を取り除くことで、吐き気やめまいといった症状の改善を目指します。
消化器系が弱く、冷えや倦怠感を伴う方や、自律神経の乱れからくる不調を起こしやすい方におすすめです。
全体的な体調を底上げすることで、生理中の不快な症状を和らげる手助けをしてくれます。
ただし、漢方薬も体質や症状によって合う合わないがあるため、服用前に医師や薬剤師に相談し、適切な処方を受けましょう。
胃に優しい食べ物・温かい飲み物を摂取する
生理前・生理中の吐き気を和らげるため、胃に優しい食べ物や温かい飲み物を摂取しましょう。
おすすめの食べ物、飲み物は主に次のとおりです。
- おかゆ
- うどん
- スープ
- 白湯
- 生姜湯
脂っこいものや刺激物、冷たいものは避け、なるべく消化器系を休ませるようにしましょう。
温かい飲み物は胃腸の働きを助け、リラックス効果も期待できます。
脱水症状を防ぐためにも、こまめな水分補給を心がけましょう。
体調が優れない時は無理せず、少量ずつ摂取することが大切です。
生理が1週間以上遅れている場合は妊娠検査薬を使用
生理前や生理中に吐き気が続く場合、生理が1週間以上遅れている場合は妊娠の可能性も考えられます。
生理が遅れており、心当たりがある場合は、早めに妊娠検査薬を使用しましょう。
吐き気は妊娠初期のつわりの症状である可能性があり、生理の遅れと合わせて重要なサインとなります。
検査結果が陽性の場合、陰性でも症状が続く場合は、早めに医療機関を受診して医師の診断を受けましょう。
症状がひどい場合は受診を検討
生理前・生理中に吐き気がひどく、日常生活に支障をきたすほどの場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
市販薬やセルフケアで改善しない、症状が悪化している、いつもと違う症状がある場合、婦人科や消化器内科にて適切な診断と治療が受けられます。
子宮内膜症や消化器系の病気など、生理以外の原因が隠れている可能性もあるため、無理せず専門医の力を借りることが大切です。
いつもと違う吐き気は要注意!生理以外が原因かも
生理前や生理中に普段と違う吐き気がする場合、いつもは吐き気がないのに症状がひどい場合は要注意です。
いつもと違う吐き気がある場合は、次の原因が考えられます。
- 妊娠初期の不正出血+つわり
- 更年期障害
それぞれの詳しい原因と対処方法について、具体的に解説します。
妊娠初期の不正出血+つわりの可能性
出血があっても妊娠検査薬陽性になることあり
普段と違う、またはいつもよりひどい生理中の吐き気がある場合、妊娠初期の不正出血とつわりが同時に起きている可能性があります。
妊娠初期は着床出血やホルモンバランスの変化により、生理に似た少量の出血が見られることがあります。
そのため生理が来たと誤解しやすいのですが、同時に吐き気やつわり症状が現れている場合は妊娠の兆候かもしれません。
このような場合は安易に生理だと決めつけず、妊娠検査薬で確認するか、早めに医療機関を受診して正確な診断を受けることが重要です。
更年期障害による吐き気の可能性もあり
普段と違う生理中の吐き気が続く場合、更年期障害が原因である可能性も考えられます。
主に40代後半〜50代前半の更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少する時期です。
ホルモンバランスの大きな変化が、自律神経の乱れを引き起こします。
その結果、吐き気やめまい、倦怠感やほてり、頭痛など、多様な身体的・精神的症状が現れます。
生理周期が不規則になったり、経血量が変化したりすると同時に吐き気が強くなる場合は、更年期障害の可能性が考えられるでしょう。
症状が改善しない場合は、婦人科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
生理中は吐き気が起こりやすい!体を温めてリラックスしよう
生理中の吐き気は、PMSやストレス、ピル・ミレーナの副作用やカフェイン過多など、多様な原因で起こります。
吐き気がひどい場合は安静にしてリラックスしたり、鎮痛剤や漢方を服用したりする方法が有効です。
体を温めてリラックスし、普段と違う吐き気がある場合は医療機関の受診も検討してみてください。
この記事の参考サイト
月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS):公益社団法人日本産婦人科学会
更年期障害:公益社団法人日本産婦人科学会
カフェインの過剰摂取について:農林水産省
ミレーナ:西梅田シティクリニック