アフターピルを服用したあと、必ずしも消退出血が起こるわけではありません。
臨床試験では全体の14.7%にのみ消退出血が確認されました。
消退出血が見られないまま次の生理が来ることは珍しくなく、避妊の失敗を意味するものではありません。
こちらの記事では、消退出血と次の生理の関係について詳しく解説します。
アフターピル服用後、消退出血ないまま生理が来るのは珍しくない
アフターピルは高用量の黄体ホルモン(レボノルゲストレルなど)を含み、排卵を抑制したり、受精や着床を妨げたりすることで妊娠を防ぎます。
その副次的な作用として、子宮内膜が不安定になり、一時的な出血(消退出血)が起こることがあります。
ただし研究によると、消退出血が確認できる人は全体の約15%にとどまり、残りは「ほとんど出血がない」「気づかない程度の出血しかない」ケースです。
つまり、消退出血がなかったからといって避妊が失敗したと考える必要はありません。
臨床試験でも消退出血の確率は14.7%と低い
2003年4月から2004年3月にかけて、カメルーンの首都ヤウンデで行われた前向き観察研究では、レボノルゲストレルを使用した緊急避妊薬服用後の月経パターンが調査されました。
対象となったのは、規則的な月経周期を持つ232名の女性です。
その結果、14.7%(34名)が周期外出血(消退出血に相当)を経験したと報告されています。
出血は平均2.4日間(範囲1〜7日)続き、ほとんどの場合は通常の生理よりも軽く、89%の女性が「普段より軽い出血だった」と回答しました。
さらに、この出血は一時的なものであり、多くは次の月経周期には解消されました。
つまり、消退出血は全員に起こる現象ではなく、発生するのはむしろ少数派であることが臨床的に確認されています。
| 分類 | |
|---|---|
| 消退出血があった人 | 34名(14.7%) |
| 消退出血が無かった人 ※確認できなかった人 |
198名(85.3%) |
消退出血が無いと感じるパターン4選
次のような場合、実際には軽い出血があっても「なかった」と感じやすいです。
- 出血量が少なすぎて気づかない
- 出血期間が極端に短い
- 次の生理と重なって区別できない
- 服用のタイミングが生理直後だった
出血量が少なすぎて気づかない
消退出血は人によってはティッシュにうっすら付く程度で終わることがあります。
ナプキンやライナーを使用していても数滴しか付かず、おりものや排卵期の出血と区別がつきにくいのです。
特に普段から経血量が少ない人や不正出血を経験したことがある人は、「出血があったのかどうか判断できない」ケースが少なくありません。
このような軽い出血も立派な消退出血であり、避妊効果に影響を与えるものではありません。
出血期間が極端に短い
通常の生理は3〜7日続きますが、消退出血は半日〜1日で終わることもあります。
あまりに短いため、単なる体調の変化と見なされ、消退出血と気づかれないことがあります。
実際、婦人科の臨床報告では「1日以内で終わった」「トイレで気づいたらもう出血が止まっていた」というケースも散見されます。
短期間の消退出血でも、アフターピルが作用している証拠のひとつと考えられます。
| 出血期間 | |
|---|---|
| 通常の生理 | 3~7日 |
| 消退出血 | 半日~1日 |
次の生理と重なって区別できない
アフターピルを服用してから2週間前後で本来の生理が始まることがあります。
この場合、タイミングが重なって消退出血と生理が見分けにくくなります。
「いつもの生理より少し早く来たけど、それが消退出血だったのか、本当の生理なのか分からない」と戸惑う人も多いです。
判断に迷うときは、生理の周期全体を観察することが大切であり、周期通りに次の月経が来ていれば心配する必要はありません。
服用のタイミングが生理直後だった
アフターピルを生理直後に服用した場合、すでに子宮内膜が剥がれ落ちてリセットされているため、追加の出血が起こらないケースがあります。
この時期に服用すると、そもそも「出血が起こりようがない」ため、消退出血を経験せずに次の生理を迎えることが多いです。
これは薬が効いていないわけではなく、むしろ「服用時期が生理直後だった」ことに由来する自然な現象です。
生理が来ているなら避妊には成功している
最も確実な判断基準は、次の生理が予定通り来るかどうか。
妊娠が成立すると子宮内膜が維持されるため、通常の生理は止まります。
そのため、生理が確認できれば避妊が成功したと考えてよいでしょう。
- 妊娠中は生理が起こらない仕組み
- 消退出血はおまけ現象に過ぎない
妊娠中は生理が起こらない仕組み
妊娠が成立すると、受精卵が子宮内膜に着床し、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌されます。
hCGは卵巣の黄体を刺激して黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌を継続させ、子宮内膜を厚いまま維持する役割を果たします。
この仕組みによって子宮内膜は剥がれ落ちず、通常の月経出血は起こりません。
一方で妊娠初期には「少量の出血」が見られることがあります。
これは着床出血や子宮頸部の血管が敏感になったことによる出血であり、あくまで不正出血の一種です。
量はごく少なく期間も短いため、通常の生理とは明確に異なります。
したがって「しっかりとした月経」が確認できれば、妊娠している可能性は極めて低いといえます。
消退出血はおまけ現象に過ぎない
消退出血は、アフターピルに含まれる高用量のホルモンによって子宮内膜が一時的に不安定になることで起こる副次的な現象です。
全員に起こるものではなく、臨床報告でも「消退出血を確認できなかった」と答える人は半数近く存在します。
つまり、消退出血は薬が効いたかどうかを直接示すサインではありません。
消退出血がなかったからといって避妊が失敗したわけではなく、あくまで副作用の一つに過ぎないのです。
本当に避妊ができたかどうかを判断するには、予定通りに生理が来たか、もしくは妊娠検査薬で確認するのが正しい方法です。
次の生理は少しズレることがあります
アフターピル(レボノルゲストレル緊急避妊薬)服用後には、ホルモンの作用によって月経周期に一時的なズレが生じることがあります。
これは卵巣—脳—ホルモン系への影響により排卵時期や黄体期が変動することが理由です。
臨床試験に置いても月経不順が報告されていますが、こうした変化は一般的に一過性であり、次の1~2周期以内に自然に戻ることがほとんどです。
排卵後に服用した場合
排卵が終わったあと(黄体期)に服用した場合は、ホルモンの影響で黄体期が少し延びることがあります。
その結果、次の生理が数日遅れて始まることがあります。
排卵前に服用した場合
一方で、排卵の前に服用した場合は、子宮内膜に変化が起こり、生理が少し早く始まることがあります。
「予定より数日早く生理が来た」と感じるのはこのためです。
これらの変化はいずれも一時的なもので、基本的にはその周期だけのズレにとどまり、次の周期には元のリズムに戻るのが一般的です。
もし服用から2週間以上生理が遅れているようであれば、妊娠の可能性もあるため、妊娠検査薬による確認や医療機関への相談が推奨されます。
アフターピルの出血の有無は気にしすぎないでOK
アフターピルの効果は「服用タイミング」と「排卵との関係」で決まります。
消退出血があるかどうかは本質的な問題ではありません。
避妊に成功したかどうかを知りたいときは、予定通りの生理が来るかどうか、あるいは妊娠検査薬を使用して確認するのが最も確実です。
安心のためにも、疑問や不安が続くときは早めに婦人科を受診することをおすすめします。
この記事の参考サイト
経口避妊薬:Wikipedia
消退出血:産婦人科・内科 加藤クリニック
Menstrual bleeding patterns following levonorgestrel emergency contraception:Europe PMC
A systematic review of effectiveness and safety of different regimens of levonorgestrel oral tablets for emergency contraception:BMC Women’s health
医療用医薬品 : ノルレボ:kegg
経口避妊薬:Wikipedia
月経不順:おおのたウィメンズクリニック
