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【結論】 生理痛にセレコックスは適さない

【結論】 生理痛にセレコックスは適さない

鈍い痛みが長時間続く、重い生理痛にはどのような痛み止めが効果的なのでしょうか。
セレコックスが生理痛に対して効果を発揮するかどうか、本記事で詳しく解説していきます。
効果のない鎮痛剤を服用しても意味がないため、服用前に必ず本記事の内容を確認しておきましょう。

生理痛に対するセレコックスの効果と特徴

こちらではセレコックスの効果と特徴について、3つの項目に分けて詳しく解説します。

  • 生理痛に対し積極的に用いられることは少ない薬
  • 生理痛にはNSAIDs(ロキソニンやボルタレンなど)が一般的
  • 飲み続けていると効かなくなるケースことも

生理痛に対し積極的に用いられることは少ない薬

一般的に、生理痛に対してセレコックスはあまり使用されません。

セレコックスは「COX-2高選択的阻害薬」と呼ばれる、痛み止めの中でも比較的強力な分類に入る医薬品です。
炎症に関与するCOX-2という酵素の働きを選択的に阻害し、炎症由来の痛みを抑える作用があります。

ただし、セレコックスは内臓の炎症に対しては有効ですが、生理痛の主な原因である子宮周辺の痛みにはあまり効果が見られないことがあります。
そのため、鎮痛作用自体は優れていますが、生理痛には適さないとされることが多いのです。

生理痛にはNSAIDs(ロキソニンやボルタレンなど)が一般的

生理痛の治療には、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が第一選択とされています。
中でもロキソニン(ロキソプロフェン)やボルタレン(ジクロフェナク)は、子宮内膜で過剰に分泌されるプロスタグランジンの生成を抑制し、痛みを軽減する効果が期待できます。

これらの薬は、生理痛の原因に直接働きかけるため、セレコックスよりも一般的な選択肢として用いられる傾向があります。
市販薬としても流通しており、使用経験が豊富なことから、軽度〜中等度の生理痛においてはまずこれらのNSAIDsが推奨されます。

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飲み続けていると効かなくなるケースことも

以前からセレコックスを服用していたが、最近になって効かなくなったと感じる方もいるかもしれません。
通常、痛み止めを月に1〜2回服用する程度では、薬剤に対する耐性が生じることは少ないとされています。

そのため、効かなくなった理由としては、以前より生理痛がひどくなった可能性の方が高いでしょう。
生活リズムやホルモンバランスの乱れなどが痛みの悪化につながる場合もあるため、思い当たる原因がないか見直してみることが大切です。

生理痛の原因がPMS等によるものだった場合、鎮痛剤でなく低用量ピルの服用が推奨されることもあります。

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生理痛にセレコックスが向いている人

子宮の炎症だけでなく、他の慢性的な関節痛や内臓系の炎症を併発している場合には、セレコックスが適していることがあります。
また、胃腸への負担が比較的少ないNSAIDを探している方や、他のNSAIDで副作用が出た方にも処方されるケースがあります。
生理痛と併せて他の炎症性疾患がある場合には、医師と相談の上でセレコックスの使用を検討する価値があります。

セレコックスが適さない人

妊娠中の方や、循環器系疾患(心筋梗塞・脳卒中など)の既往がある方にはセレコックスの使用は推奨されません。
また、重度の肝機能障害・腎機能障害・胃潰瘍の既往がある方も慎重に検討する必要があります。
体質や基礎疾患により副作用リスクが高まることがあるため、必ず医師に相談し、使用の可否を確認しましょう。

セレコックスの副作用や注意点【安全性を確認】

こちらでは、セレコックスに関する主な副作用について詳しく解説します。
よく見られる副作用としては、以下のような症状などが挙げられます。

全身 倦怠感、口渇、末梢性浮腫(0.1~1%未満)、寒気、全身浮腫、疲労、ほてり、体重増加(0.1%未満)、インフルエンザ様疾患(頻度不明)
精神・神経系 傾眠(1~5%未満)、頭痛、浮動性めまい、味覚異常(0.1~1%未満)、不眠症、興奮、錯乱状態など(頻度不明)
肝胆道系 ALT増加(1~5%未満)、AST増加、γ-GTP増加、AL-P増加、血中ビリルビン増加、尿ウロビリノーゲン増加(0.1~1%未満)
代謝・栄養 BUN増加(1~5%未満)、CK増加、食欲不振、LDH増加、尿糖陽性(0.1~1%未満)、糖尿病(0.1%未満)、電解質異常(頻度不明)
消化器 腹痛、口内炎、下痢、便潜血陽性(1~5%未満)、胃炎、口内乾燥、舌障害、嘔吐など(0.1~1%未満)、消化性潰瘍、穿孔など(頻度不明)
泌尿器 β2-マイクログロブリン増加(5%以上)、NAG増加、尿潜血陽性(1~5%未満)、尿蛋白陽性(0.1~1%未満)、腎機能障害、多尿、頻尿など(0.1%未満〜頻度不明)
循環器 高血圧、瀑血、動悸(0.1~1%未満)、高血圧悪化、循環虚脱(0.1%未満)、狭心症、不整脈など(頻度不明)
呼吸器 咽頭炎、鼻出血、鼻咽頭炎(0.1~1%未満)、気道狭窄、咳嗽、呼吸困難など(頻度不明)
皮膚 発疹(1~5%未満)、そう痒症、紅斑性発疹(0.1~1%未満)、皮膚粘膜眼症候群、皮膚剥脱など(頻度不明)
感覚器 耳鳴、回転性めまい(0.1~1%未満)、視力低下、難聴、結膜出血(頻度不明)
その他 貧血、ヘマトクリット減少、リンパ節症、ウイルス感染、筋肉痛、腫瘍、浮腫、脱毛症など(頻度不明)

これらの副作用は比較的軽度で、発現頻度も高くはありません。
ただし、服用量や他の薬との併用状況によってはリスクが変動するため、用法・用量を守ることが重要です。

危険性のある副作用について

ここでは、セレコックスに関連する重篤な副作用について解説します。
以下のような症状が現れることはまれですが、リスクとしては知っておくべきです。

  • ショック、アナフィラキシー
  • 消化性潰瘍
  • 消化管出血
  • 消化管穿孔
  • 心筋梗塞
  • 脳卒中
  • 心不全
  • うっ血性心不全
  • 肝不全
  • 肝炎
  • 肝機能障害
  • 黄疸
  • 再生不良性貧血
  • 汎血球減少症
  • 無顆粒球症
  • 急性腎障害
  • 間質性腎炎
  • 中毒性表皮壊死融解症(TEN)
  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
  • 多形紅斑
  • 急性汎発性発疹性膿疱症
  • 剥脱性皮膚炎
  • 間質性肺炎

このような重篤な副作用は極めてまれですが、セレコックスは心血管系への影響も指摘されており、特に基礎疾患がある方は注意が必要です。
不安がある方は、医師や薬剤師にあらかじめ確認しておくようにしましょう。

セレコックスを服用する前に【必ず確認】

服用前には、以下のポイントをしっかりと確認することが重要です。
自分が該当しないかどうか、注意深くチェックしましょう。

妊娠している可能性がある方は注意

妊娠中の方は、セレコックスの服用を避けてください。

妊娠初期には処方される場合もありますが、妊娠後期では胎児の動脈管収縮という重大なリスクがあるため、原則として使用されません。

どうしても痛みが強い場合には、カロナール(アセトアミノフェン)など妊娠中でも使用しやすい鎮痛剤を医師と相談のうえ選択してください。
体質によってはアセトアミノフェンの使用も難しいケースがあるため、必ず医療機関に相談することが推奨されます。

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年齢制限について

セレコックスは基本的に成人を対象とした処方薬であり、小児には通常使用されません。
服用量の基準も成人を前提に定められているため、小児が服用することは基本的にないと考えてください。

セレコックスを飲む前に医師に状況報告をしよう

セレコックスは非常に強力な鎮痛剤であり、重い生理痛に対して効果が期待できる可能性もあります。
しかし、その反面、使用には慎重さが求められる薬でもあります。

服用を検討する際は、事前に医師に自分の体調や既往歴を正確に伝えるようにしましょう。
疑問点を抱えたまま服用せず、医師に相談することで、安全かつ効果的な使用が可能になります。

この記事の参考サイト

医療用医薬品 : セレコックス:kegg
非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)(内服薬・坐剤・注射剤)の解説:日経メディカル
医療用医薬品 : ロキソニン:kegg
医療用医薬品 : ボルタレン:kegg