メトホルの注意事項・相互作用「禁忌(服用できない方)・併用禁忌薬(併用できない医薬品)」
メトホルを服用できない方(禁忌)
メトホルには、服用できない方(禁忌)が指定されています。
以下に該当する方は、メトホルを服用できません。
- メトホルの有効成分(メトホルミン)またはビグアナイド系薬剤に対して過敏性(アレルギー)を引き起こしたことがある方
- 乳酸アシドーシスの既往がある方
- 重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73㎡未満)または透析中の方
- 重度の肝機能障害がある方
- 心肺機能に高度な障害(心不全、心筋梗塞、ショック、肺塞栓など)がある方
- 脱水症状がある方、または脱水が懸念される方(下痢、嘔吐、経口摂取困難など)
- 過度のアルコール摂取をする方
- 重症ケトーシスの方
- 糖尿病性昏睡または前昏睡の方
- 1型糖尿病の方
- 重症感染症のある方
- 手術前後の方
- 重篤な外傷がある方
- 栄養不良、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全、副腎機能不全の方
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性
メトホルの有効成分(メトホルミン)またはビグアナイド系薬剤に対して過敏性(アレルギー)を引き起こしたことがある方
メトホルにはメトホルミンと呼ばれる有効成分が含まれており、本成分に対して過敏症のある方はメトホルを服用することができません。
乳酸アシドーシスを引き起こしたことのある方
メトホルの重篤な副作用に乳酸アシドーシスがあるため、乳酸アシドーシスを引き起こしたことのある方はメトホルを服用することができません。
重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73㎡未満)のある方、透析(腹膜透析を含む)中の方
メトホルの排泄が遅延して血中濃度が上昇し、乳酸アシドーシスが発生するリスクが高まるため、重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73㎡未満)のある方、透析(腹膜透析を含む)中の方はメトホルを服用できません。
重度の肝機能障害のある方
重度の肝機能障害のある方では、肝臓での乳酸の代謝能が低下して乳酸の血中濃度が上昇し、乳酸アシドーシスが発生するリスクが高まるため、メトホルを服用することができません。
心肺機能に高度な障害(心不全、心筋梗塞、ショック、肺塞栓など)がある方、その他の低酸素血症を伴いやすい状態にある方
以下に該当する方は、低酸素状態により嫌気的解糖が亢進して乳酸産生が増加し、乳酸アシドーシスが発生するリスクが高まるため、メトホルを服用することができません。
- 心肺機能に高度な障害(心不全、心筋梗塞、ショック、肺塞栓など)がある方
- 低酸素血症を伴いやすい状態にある方
脱水症のある方または脱水状態が懸念される方
水分不足により血中乳酸濃度が上昇して乳酸アシドーシスが発生するリスクが高まるため、脱水症のある方または脱水状態が懸念される方はメトホルを服用することができません。
過度のアルコールを摂取する方
肝臓での乳酸の代謝が低下して血中乳酸濃度が上昇し、乳酸アシドーシスが発生するリスクが高まるため、過度のアルコールを摂取する方はメトホルを服用することができません。
重症ケトーシスの方、糖尿病性昏睡または前昏睡の方、1型糖尿病の方
重症ケトーシスの方、糖尿病性昏睡または前昏睡の方、1型糖尿病の方は、輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるため、メトホルを服用することができません。
重症感染症の方、手術前後の方、重篤な外傷のある方
重症感染症の方、手術前後の方、重篤な外傷のある方は、輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須であり、乳酸アシドーシスを起こしやすい状態にあるため、メトホルを服用することができません。
栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全または副腎機能不全の方
低血糖を起こすおそれがあるため、栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全または副腎機能不全の方はメトホルを服用することができません。
妊婦または妊娠している可能性のある方
メトホルミンは、動物実験(ラット、ウサギ)で胎児への移行が認められており、一部の動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されています。
また、妊婦は乳酸アシドーシスを起こしやすいこともあるため、妊婦または妊娠している可能性のある方はメトホルを服用することができません。
メトホルの服用に注意が必要な方
メトホルには、服用に注意が必要な方が指定されています。
以下に該当する方は、メトホルを服用する際に注意が必要なため、服用する前に医師に相談してください。
- 低血糖を起こすおそれのある方
- 感染症に罹患している方
- 軽度~中等度の腎機能障害のある方(eGFR 30〜60mL/min/1.73㎡)
- 軽度~中等度の肝機能障害がある方
- 授乳中の方
- 小児
- 高齢者
低血糖を起こすおそれのある方
食事摂取が不規則な方、食事摂取量が不足している方、激しい筋肉運動をされる方がメトホルを服用すると低血糖を起こすおそれがあるため、こうした状態に該当するときはメトホルを服用しないでください。
感染症にかかっている方
感染症にかかっている方がメトホルを服用すると乳酸アシドーシスを起こすおそれがあるため、感染症が治癒してからメトホルを服用するようにしてください。
軽度~中等度の腎機能障害のある方
軽度~中等度の腎機能障害のある方ではメトホルの排泄が遅延し血中濃度が上昇して乳酸アシドーシスが発生するリスクがあるため、服用前に医師に相談してください。
軽度~中等度の肝機能障害のある方
軽度~中等度の肝機能障害のある方では、肝臓での乳酸の代謝能が低下して乳酸の血中濃度が上昇し、乳酸アシドーシスが発生するリスクがあるため、服用前に医師に相談してください。
授乳中の方
メトホルミンの添付文書には「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。」と記載されているため、授乳中の方は服用前に医師に相談してください。
小児
15歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施されていないため、服用前に医師に相談するようにしてください。
高齢者
65歳以上の高齢者では生理機能が低下していることが多く、脱水症状などが生じる可能性があるため、服用前に医師に相談するようにしてください。
メトホルと併用できない医薬品(併用禁忌薬)
メトホルには、併用禁忌が指定されています。
過度のアルコール
前述の通り、肝臓での乳酸の代謝が低下して血中乳酸濃度が上昇し、乳酸アシドーシスが発生するリスクが高まったり、脱水のリスクが高くなる可能性があるため、過度のアルコールを摂取する方はメトホルを服用することができません。
メトホルと併用に注意が必要な医薬品(併用注意薬)
メトホルには、併用に注意が必要な医薬品(併用注意薬)が指定されています。
メトホルと併用注意薬を併用すると効果が減弱したり、逆に副作用が増強する可能性があるためです。
以下に該当する医薬品を服用している場合は、メトホルの服用の際には注意が必要なため、服用する前に医師に相談してください。
- 乳酸アシドーシスを起こすことがある薬剤(ヨード造影剤[X線やCT検査に用いられるもの]、腎毒性の強い抗生物質[ゲンタマイシンなど]、利尿作用を有する薬剤[利尿剤やSGLT2阻害薬など])
- 血糖降下作用を増強する薬剤(糖尿病用薬[オゼンピック、グルコバイなど]、たん白同化ホルモン剤[オレトンなどのアナボリックステロイド]、サリチル酸剤[アスピリン]、β遮断剤[プロプラノロールなど]、モノアミン酸化酵素阻害剤[セレギリンなど])
- 血糖降下作用を減弱する薬剤(アドレナリン[エピネフリン]、副腎皮質ホルモン[プレドニン]、甲状腺ホルモン[チラーヂンS錠]など、卵胞ホルモン[エストラジオール]、利尿剤[フロセミド]、ピラジナミド[ピラマイド]、イソニアジド[イスコチン]、ニコチン酸[ナイアシン]、フェノチアジン系薬剤[クロルプロマジン])
- OCT2、MATE1、またはMATE2-Kを阻害する薬剤(シメチジン[タガメット]、ドルテグラビル[テビケイ]、ビクテグラビル[ビクタルビ]、バンデタニブ[カプレルサ]、イサブコナゾニウム硫酸塩[クレセンバ]、ピミテスピブ[エクルーシス])
- リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール、リトナビル等
- イメグリミン塩酸塩(ツイミーグなど)
乳酸アシドーシスを起こすことがある薬剤
メトホルを以下の薬剤と併用すると、腎機能の低下によってメトホルの排泄が低下して乳酸アシドーシスを起こすことがあります。
- ヨード造影剤[X線やCT検査に用いられるもの]
- 腎毒性の強い抗生物質[ゲンタマイシンなど]
- 利尿作用を有する薬剤[利尿剤やSGLT2阻害薬など]
特に、ヨード造影剤を使用する予定がある方は、緊急の検査を除いて、検査前後48時間はメトホルを休薬する必要があります。
詳しくは医師に相談してください。
血糖降下作用を増強する薬剤
メトホルを以下のような血糖降下作用を増強する薬剤(他の糖尿病治療薬など)と併用すると、血糖降下作用が増強されて低血糖症状が起こるおそれがあるため、併用に注意が必要です。
- 糖尿病用薬[オゼンピック、グルコバイなど]
- たん白同化ホルモン剤[オレトンなどのアナボリックステロイド]
- サリチル酸剤[アスピリン]
- β遮断剤[プロプラノロールなど]
- モノアミン酸化酵素阻害剤[セレギリンなど]
血糖降下作用を減弱する薬剤
メトホルを以下のような血糖降下作用を減弱する薬剤と併用すると、メトホルの効果が減弱する可能性があるため、併用に注意が必要です。
- アドレナリン[エピネフリン]
- 副腎皮質ホルモン[プレドニン]
- 甲状腺ホルモン[チラーヂンS錠]など
- 卵胞ホルモン[エストラジオール]
- 利尿剤[フロセミド]
- ピラジナミド[ピラマイド]
- イソニアジド[イスコチン]
- ニコチン酸[ナイアシン]
- フェノチアジン系薬剤[クロルプロマジン]
OCT2、MATE1、またはMATE2-Kを阻害する薬剤
メトホルを以下の薬剤と併用すると、メトホルの腎排泄が阻害されることで、メトホルの血中濃度が上昇して乳酸アシドーシスが発生するリスクがあります。
メトホルとこれらの薬剤を併用する場合は、事前に医師や薬剤師などの専門家に相談してください。
- シメチジン
- ドルテグラビル
- ビクテグラビル
- バンデタニブ
- イサブコナゾニウム硫酸塩
- OCT2、MATE1、またはMATE2-Kを阻害する薬剤
イメグリミン塩酸塩
メトホルをイメグリミン塩酸塩と併用すると、特に併用初期に消化器症状が発現する可能性があるため、事前に医師や薬剤師などの専門家に相談してください。
メトホルの注意事項・相互作用に関する参考文献
当サイトでは、正確な情報提供ができるよう日々努めていますが、情報の正確性、および完全性を保証するものではございません。
予めご了承ください。
メトホルの注意事項・相互作用に関する記述については、以下のWebサイトを参考にさせていただいております。
- 医療用医薬品:メトグルコ-KEGG-
- メトグルコ錠250mg/500mg-一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)-
- Should I consider metformin therapy for weight loss in patients with obesity but without diabetes?-CLEVELAND CLINIC JOURNAL OF MEDICINE-
- The Effect of Metformin on the Metabolic Abnormalities Associated With Upper-Body Fat Distribution. BIGPRO Study Group-Diabetes Care-














