生理前に激しい腰の痛みに襲われたことがあるでしょうか。
例えるなら「ぎっくり腰」のような…
特に重い荷物を持ったわけでもないのに、痛みが起こるのはなぜなのでしょう。
生理前ということは、生理と関係があるのか気になりますよね。
痛みの原因と対策を解説していきます。
生理前にぎっくり腰のような痛みが起きる原因は?
生理前に激しい腰の痛みがある場合は、病気が潜んでいる場合と普段の姿勢によるものの可能性があります。
それ以外にも、内臓からくるものや貧血によるものなど様々な原因があります。
この章では、女性特有の病気とそれ以外の原因についてまとめました。
思い当たるものがないか確認してみましょう。
病気が潜んでいる?
痛みが病気からくるものの可能性も十分にあります。
女性特有の病気を以下にまとめました。
- PMS
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫
それぞれの病気で腰痛以外に起りうる症状も記載していますので、詳しく見ていきましょう。
PMSの可能性!
冷えやストレスによって血行不良を起こしている人は、プロスタグランジンの分泌が増える傾向にあります。
プロスタグランジンとは子宮内膜に含まれる物質であり、これが増えると痛みの原因物質の分泌量が増えてしまうことが分かりました。
これによって、子宮や周囲の血管の収縮が促されて痛みを感じてしまうというメカニズムです。
腰痛の他にも、腹痛や頭痛、吐き気、イライラなど様々な症状が起こります。
子宮内膜症の可能性!
子宮内膜症とは、子宮以外の卵巣や卵管などに子宮内膜ができてしまう病気です。
通常通り子宮内にできたものは生理で剥がれ落ちますが、子宮以外にできたものは体内に残ったままになってしまいます。
残った子宮内膜が、炎症や他の組織と癒着してしまうことでぎっくり腰のような激しい痛みを感じてしまうのです。
この病気は生理のたびに少しずつ悪化し、放っておいても治ることはありません。
また、生理時以外にも腹痛や腰痛を感じたり性交時や排便時に痛みを感じたりすることもあります。
子宮筋腫の可能性!
子宮筋腫とは女性ホルモンの影響で、子宮の内側や外側、筋肉の中に良性の腫瘍ができる病気です。
良性の腫瘍ですが、大きくなったり複数できたりすると直腸や骨盤の神経が圧迫されてしまい、激しい腰痛が起こることがあります。
腫瘍は女性ホルモンによって大きくなるため、閉経後は縮小する傾向にあるようです。
他の症状としては、不正出血や頻尿、経血過多、レバーのような血の塊が出るなどの特徴があります。
【栄養や筋肉も関係】左側や右側だけ痛い原因!
次に、腰の片側だけに痛みが起こる原因を解説します。
片側だけに腰痛を感じる場合は、姿勢や栄養状態が関係しているのです。
「姿勢は分かるけど、栄養状態で腰痛?」と思われるかもしれませんが、体の栄養状態は血液や筋肉と深く関係しています。
以下で詳しくみてみましょう。
運転やデスクワークなどの姿勢が悪い!
デスクワークをしている方は椅子に座っている際、上半身が左側に傾いていることが多いことはご存知でしょうか。
その理由は、マウスを右手で操作するため体の右に重心を置くとマウスが動かしづらくなってしまい、自然と左に傾いた姿勢になるからと言われています。
また、運転中も重心が左に傾きがちです。
理由は「重心が左にある方がアクセルやブレーキを操作しやすいから」「右手だけでハンドル操作をすることで、自然と左に傾くから」とされています。
これらはほぼ無意識に行ってしまっているため、指摘されないとなかなか気づくことが難しいかもしれません。
内臓に疲れが溜まっている!
内臓に疲れが溜まると、腰の左側が痛むことがあります。
その理由は心臓や胃、膵臓といった臓器は体の中心よりもどちらかといえば左側に存在しているからです。
肩甲骨から腰までの広い範囲で痛みが起こることがあります。
この場合、痛みの原因は内臓にあるためシップを貼ったり電気療法行ったりしたとしても、痛みは改善しない可能性が高いでしょう。
鉄分不足による貧血!
また、貧血によって痛みが出ることもあります。
血液は体全体に栄養を運ぶ役割がありますが、貧血になるとそれが十分に行われなくなってしまいます。
そうなると筋肉や組織に必要な栄養が不足してしまうため、体を動かす際痛みを感じると考えられているのです。
貧血はヘモグロビン数値が低い「通常の貧血」と、フェリチン数値が低い「隠れ貧血」があります。
生理中の鉄分不足については「生理中の鉄分不足で貧血がひどい!デメリットや対策まで徹底解説!」の記事を参考にしてください。
生理前に腰の痛みを和らげる対策は?
それではここから、生理前の腰の痛みを和らげるための対策を紹介します。
具体的な方法は4つ。
- 体を冷やさない
- 鎮痛剤で痛みを抑える
- 楽な姿勢で痛みを落ち着かせる
- ストレッチや運動で筋肉を刺激する
以下で詳しく解説していきます。
体を冷やない!
症状がPMSによる場合は、血行をよくすることをおすすめします。
そのためには、ホッカイロなどを使用して体を冷やさないようにしましょう。
正しい貼り方をすれば、全身を温められる効果がありますよ。
ただし、病気が隠れている可能性がありますので医療機関で病気の有無をチェックしてから行ってください。
体を温めてくれるホッカイロの貼り方については「生理痛にはカイロが手放せない!効果や正しい貼り方まで【徹底解説】」を参考にしてください。
鎮痛剤で痛みを抑える!
あまりにも痛みがひどい場合は、鎮痛剤を使用することも考えましょう。
ロキソプロフェンはどのような痛みにも効果があり、生理痛にはイブプロフェンがよく効くとされています。
姿勢が悪いために起こっている腰痛には湿布薬も効果的です。
ただし、子宮筋腫や子宮内膜症の進行は抑えられません。
治療が必要な場合もあるので、医療機関を受診してから使用するようにしてください。
楽な姿勢で痛みを落ち着かせる!
自宅でゆっくりしている最中は、腰に負担がかからない姿勢をとることをおすすめします。
もっとも楽なのはやはり寝ている時ですが、仰向けで膝を立てたり横向きで少し丸まったりする姿勢が腰痛には適しているでしょう。
脚を伸ばして寝ると骨盤が引っ張られてしまい、さらに痛みを感じることがあります。
膝を立てて寝る際は、膝の下にクッションを敷いておくと快適です。
また、横向きで少し丸まって寝る際は、膝の間にクッションを挟むと効果的だと言われています。
ストレッチや運動で筋肉を刺激する!
ストレッチや運動で筋肉を動かしてあげることも効果的です。
刺激といっても、激しい運動で無理をする必要はありません。
以下の軽いストレッチや運動を行ってみてください。
- 仰向けでできる「赤ちゃんのポーズ」
- 椅子に座ってできる「骨盤揺らし」
- 立ったままできる「腰回し」
「じんわりと痛いけど気持ちいい」程度で構いません。
無理をしてしまうと、逆に腰を悪くする恐れがあるので気をつけましょう。
痛みがひどい場合は1人で無理をしない!
生理前におこる腰痛と、対策について解説してきました。
痛みが軽い場合は今回ご紹介した方法で対策が可能です。
しかし、痛みがひどく辛いと感じる場合は、病気の可能性も十分にあるため躊躇わずに医療機関を受診しましょう。
- 生理痛がだんだん重くなっている
- 生理時期以外にも腹痛や腰痛がある
- 経血が多く貧血である
などの症状が見られる場合は産婦人科で相談してください。
正しい対策で、腰痛を改善しましょう!