女性のライフスタイル

30代からのピルデビュー!20代に比べてリスクは高いのか?

30代からのピルデビュー!20代に比べてリスクは高いのか?

99.7%の高い避妊効果を得られ、さらに生理不順やPMS解消の効果もある低用量ピル

日本での普及率も徐々に高まってきており、マストアイテムとなっている女性も数多くいます。

そんな便利なピルですが、内服をすることで副作用が出ることがあるのです。

年齢が上がるほど副作用が発症する確率は高くなると言われているため、30歳以上からピルの服用を始めるのは怖いと感じる女性もいるのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、30代からピルを飲み始めても問題はないのかどうかを詳しく解説していきます。

また、ピルの服用を始めることで体に現れやすくなる変化も合わせて紹介をしていますので、ぜひ参考にしてください。

30代からピルを飲み始めても大丈夫

まず、30代からピルの服用を始めるということ自体は基本的に問題ありません。ピルが処方される条件は、喫煙習慣がなく、健康面に問題がない女性です。

この2つの要件を満たし、医師がピルを処方しても大丈夫だと判断した場合、服用を始めても副作用が起こる確率はかなり低いです。

なお、年齢的には、初潮が来て半年後から50歳以下であればピルを処方してもらうことができます。

40代を過ぎてからもピルの服用を続けている女性は存在するので、30代での服用は特に問題がないことが分かりますね。

なお、ピルの副作用で最も怖いのが「血栓症」という病気が発症することです。

血栓症は、血管の中で血液が固まることで発症する病気で、主に「動脈血栓症」と「静脈血栓症」の二種類があります。

動脈血栓症は脳や心臓に流れる血液に影響を及ぼすため、進行すると脳梗塞や心筋梗塞などの病気を引き起こします。

一方の静脈血栓症は足の静脈に血栓ができることで発症し、足のむくみや痛みなどを引き起こします。

さらに病気が進行すると、肺にまで影響を及ぼし、「肺塞栓症」と呼ばれる病気を発症します。すると動悸や息切れ、胸の痛みなどの症状が現れ始め、最悪の場合死に至ることもあります。

低用量ピルには女性ホルモンの薬剤が含まれているのですが、ホルモン剤には血が固まりやすくなる作用があることが確認されています。そのため、ピルを服用していると通常に比べて血栓症にかかる確率が上がるのは確かです。

しかし、血栓症はそもそも発症する確率が非常に低い病気です。ピルの服用をしていない人であれば10万人のうち5人以下、服用をしている人であれば10万人のうち10人以下の確率で血栓症は発症すると言われています。

さらに血栓症での死亡率は1%以下であるため、早期発見・治療さえできれば、死に至ることは非常に稀なケースとされています。

年齢を重ねるほど血栓症のリスクは高まりますが、血栓症の初期症状が出ていないかどうかを気に掛けてさえいれば、ピルの服用を始めること自体は何ら問題ありません。

万が一、足の痛みや息切れなどの諸症状が出た場合にはすぐに服用をやめ、医師に相談をしましょう。

また、年齢に関係なく喫煙習慣がある人は血栓症のリスクが跳ね上がるため、ピルを処方してもらうことが難しくなります。

特に30代以上で日常的に喫煙習慣がある人はピルの処方にNGを出す医師が多いので、その点だけ気を付けてください。

妊娠を望むタイミングで服用をやめれば次の生理後から妊娠できる

さて、副作用のリスクの次に気になるのが「ピルの服用をしていても妊娠に影響はないの?」ということですよね。

ピルは排卵を止めることで避妊効果を得る薬なので、服用することで将来的に不妊になるのではないかと心配する女性も多いはず。

ですが、安心してください。ピルの服用を続けていても、不妊になることはありません。

ピルを服用している人としていない人とで妊娠率が変わらないことは、最新の研究で明らかになっています。

むしろ、ピルを服用することで不妊の予防にもなるという意見もあります。というのも、ピルで月経周期をコントロールすることで、不妊の原因の一つとなる「子宮内膜症」の発症率を低下させることができるからです。

そのため、将来的に妊娠を望む女性の中で、不妊予防の一環としてピルの服用を続けているという人もいます。

ただし、ピルの内服が直接的に妊娠率を上げるというわけではないので、その点はご注意ください。

では、ピルの服用をやめてからどれくらいの期間を空ければ通常通り妊娠ができる体に戻るのでしょうか?

妊娠が可能になるまでの期間は人によって個人差があります。通常であれば、ピルの内服をやめた後に排卵が再開されますので、服用をやめてから次の生理後には妊娠ができるとされています。

なので、早ければ1ヶ月以内、平均で3ヶ月以内には妊娠ができる身体に戻っています。

これはピルを長期間服用していた場合でも同じです。妊娠を望むタイミングで服用をやめれば妊娠をすることはできますので安心してくださいね。

10代20代に比べて、現れやすくなる体の変化

では、ピルを服用したときの副作用として、10代~20代のころと比べて30代の方が現れやすい体の変化にはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは30代の人に現れやすくなるピルの副作用4つを解説していきます。

肌荒れ

ピルには「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」という二種類の女性ホルモンが含まれています。

女性ホルモンを血中に取り込むことにより、排卵をストップさせる効果があるのですが、その影響によって肌荒れやニキビなどの症状を引き起こすケースがあります。

特に30代以上になると、ピルが体に馴染むまでに時間が掛かるため、肌荒れの症状は飲み始めのころによく起こります。

ですが、遅くても飲み始めてから3ヶ月が経つ頃には体がピルに慣れ、肌荒れも自然に改善されていきます。

あらかじめ肌荒れを予防したいときは、まず食生活の栄養バランスに気を付けましょう。ビタミンや鉄分、たんぱく質などが豊富な食事がおすすめです。

他には毎日のスキンケアも忘れずに。内側と外側から肌をケアしてあげていれば、肌荒れの副作用が出る確率をぐっと抑えることができます。

不正出血

ピルは月経周期をコントロールすることができ、内服を続けていれば基本的に28日周期で月経が起こります。

飲み方を変えることで月経周期を早めたり、遅くしたりすることもできます。

生理日の正確な予測ができるのもピルの良いところなのですが、ピルを服用していると、月経と月経の間の期間で不正出血が起こることがあります。

不正出血は生理のときと比べて血液の量が少なく、長期間にわたって出続けるパターンが多いです。

不正出血が起こると「病気かな?」と不安になってしまうかもしれませんが、ピルの内服で不正出血が出ることは珍しいことではないのです。

特に飲み始めの頃はホルモンバランスが安定していないため、通常の生理とは違う不正出血が発生しやすくなっています。

ピルを服用し続けていれば、不正出血の回数は次第に減っていきます。

30代以上の人は不正出血が起こる期間が少し長くなるかもしれませんが、病気が原因というわけではないので特に問題はありません。

妊娠初期のような症状

ピルを飲み始めると、吐き気や頭痛、胸のむかつき、めまいなど体調不良の症状の他、乳房の張りや痛み、足のむくみなど体に変化が起こる可能性があります。これらは全て妊娠初期によく見られる症状です。

ピルには女性ホルモンの成分が含まれており、服用をすると女性ホルモンの血中濃度が高くなります。

そのため、脳が「妊娠をしている」と錯覚をし、その影響で妊娠初期の症状が体に出ることがあるのです。

この副作用が出る確率は非常に低いのですが、年齢が上がるほど確率も高くなっていくことが確認されています。

症状は一時的なものがほとんどですが、何日も続く場合は医師に相談することをおすすめします。

血栓症

先ほども説明しましたが、ピルの内服で最も怖い副作用は血栓症です。

症状が悪化すれば最悪の場合は死に至るケースもあるので、気を付けておかなければいけません。

血栓症はそもそも発症率の低い病気ですが、10代~20代のころに比べると30代は発症のリスクが高くなります。

ピルを病院で初めて処方される際には、医師から血栓症のリスクについての説明があるはずなので、分からないことや不安なことがあればそのときに聞いておきましょう。

なお、ピルを長期間にわたって飲み続ける場合、病院で定期的に採血が行われます。

血液検査では、血中に含まれる「Dダイマー」の値の高さによって血栓症にかかっていないかどうかが判定されます。

採血の頻度は、病院にもよりますが、半年に一回ほどので案内されることが多いです。

採血は強制ではなく任意なのですが、血栓症が心配なときはきちんと採血も受けるようにしてください。

ピルの恩恵は大きい。自分の身体と相談して服用を検討しよう

低用量ピルは、医師の指示をきちんと守って服用を続けていれば安心安全なお薬です。

むしろピルは、高い避妊効果が得られたり、生理周期を整えることができたり、PMSが改善されたり、女性にとって非常に大きな恩恵があります。

しかし、30代以上になると副作用が出やすくなるのも事実。特にピルを飲み始めのころは、体がピルに慣れておらず、先ほど解説した副作用が体に現れやすいです。

自分の身体の健康状態をきちんと把握し、医師と相談の上で服用を検討してくださいね。