ゲイは、病気でも罪でもありません。
しかし、まだ世間の理解を完全には得られていないのが現状。
ゲイになる原因を突き止め、自分や息子がゲイになるのを防ぎたいと思うのは当然のことです。
残念ながらゲイの原因はまだ解明されていませんが、有力な説はいくつか挙がっています。
今回は3つの説について解説をしていきます。
ゲイになる原因は解明されていない
前述の通り、ゲイになる原因はまだ完全には解明されていません。
しかし、いくつかの説が存在します。
いずれもゲイになる決定的原因ではありませんが、以下をはじめとした複数の理由が複雑に絡み合うことでゲイになると考えられています。
- 説1:胎児期のホルモン量が原因
- 説2:遺伝が原因
- 説3:兄の存在が原因
説1:胎児期のホルモン量が原因
母親の胎内にいる時、胎児は男性ホルモンを浴びながら育ちます。
浴びれば浴びるほど、男性らしさ(男性器の大きさなど)が上がります。
このことから、胎児期の男性ホルモン曝露量が少ないと脳が女性化し、男性に恋愛感情を抱くようになる(ゲイになる)のではという説が立ちました。
実際、曝露量が多い女性はレズビアンになりやすいというデータがあります。
しかし胎児が実際に浴びた男性ホルモン量を正確に測定するのは困難。
また、女性のレズビアン化には影響があれど、男性のゲイ化には影響しないのではという意見もあります。
男性ホルモンは様々な理由で増減しますが、妊娠中の母親の行動も原因の一つ。
気になる方は以下の記事をご覧ください。
- 胎児期の男性ホルモン曝露量はゲイになる原因の一つとして有力
- しかし男性ホルモンによる影響を受けるのは女性のみという意見もある
- 人間を対象とした研究量も少なく、曝露量を正確に測ることも難しい
説2:遺伝が原因
1990年頃、ゲイは親族に同性愛者が多い傾向にあるとわかりました。
このことから、ゲイは遺伝するという説が立てられました。
特に母方の家系から引き継ぐX染色体の情報が影響していると言います。
しかし一卵性双生児を対象としたデータを見ると、双子の両方がゲイの確率は約52%に留まっています。
一卵性双生児は遺伝情報が全く同じはずであるため、片方がゲイであればもう片方もゲイになるはずです。
このことから、遺伝だけがゲイになる原因ではないことがわかります。
- 遺伝はゲイになる原因の一つとして有力
- しかし双子を対象としたデータから、遺伝だけがゲイの原因ではないとわかった
- 特定のゲイ遺伝子が存在するわけではなく、複数の遺伝子やその他要因がかかわっている
説3:兄の存在が原因
2017年頃、兄がいる子はゲイになりやすいという説も出てきました。
男児は、父親から引き継いだY染色体を持っていますが、本来Y染色体を持たない母体は男児を異物と判断し、抗体を作り出します。
弟の妊娠時、その抗体が胎盤から弟の脳に届くと性的指向が変わってしまうという理論です。
研究によると、息子が一人増えるごとに、下の子がゲイとなる確率は(人口全体の基準値と比較して)約33%増加するそう。
現在存在する説の中ではかなり有力とされていますが、一人っ子のゲイも存在するため、これだけが絶対的な原因とは言えません。
- 兄の有無はゲイになる原因の一つとしてかなり有力
- しかし一人っ子のゲイもいるため、兄の有無だけがゲイの原因ではないと思われる
- 研究によると、兄が一人増えると約33%ゲイになる確率が上がる
ゲイは治らないが嘆く必要はない
ゲイになる原因が未だはっきりしていない以上、自分や息子を確実にノンケにすることは不可能です。
しかし嘆く必要はありません。
昔に比べて現在は、比較的同性愛者への偏見も少なくなってきました。
またこの世には、意外とゲイ仲間も多く存在しています。
約10人に1人の割合でLGBTQ
世界を代表する市場調査会社「Ipsos(イプソス)」が2025年6月に行った調査によると、世界のLGBTQの割合は約9%。
これは、左利きの人口と大体同じくらいです。
AB型の人口とも同じくらいです。
どちらもクラスに1人はいましたよね。
ゲイの割合はもう少し少なくなるものの、結構多いと感じたのではないでしょうか。
ゲイなのは意外と珍しいことではありません。
同性愛者への理解が進んできている
かつては病気扱いされ、差別の対象となった同性愛ですが、近頃は理解が進んできています。
「ゲイ=人生終わり」には直結しなくなってきていますので、安心してください。
「ゲイへの理解が進んできている」とは具体的にどういうことなのか、については以下の通りです。
- パートナーシップ制度の導入
- 同性婚支持者の増加
- 同性愛者に配慮した会社作り
パートナーシップ制度の導入
2026年現在の日本では、残念ながらまだ同性婚は認められていません。
代わりに「パートナーシップ制度」が各自治体で導入されています。
2015年の東京都渋谷区を皮切りに増え続け、2024年時点でパートナーシップ制度を導入している自治体は約562/1,788。
パートナーシップ制度を導入していない都道府県はもはや存在しません。
今や日本のどこに住んでいても、同性パートナーと一緒になれる時代です。
同性婚支持者の増加
未だ認められていない同性婚ですが、支持者は年々増えています。
世論調査によると、2023年時点の同性婚支持者は約72%。
2015年は41%、2021年は65%だったことを鑑みると、年々世間のゲイに対する理解が進んできていることがわかります。
今すぐに同性婚したい!という方には、海外で同性婚をするという選択肢もあります。
日本よりゲイに寛容な国は世界にたくさんあります。
同性愛者に配慮した会社作り
政府や自治体だけでなく、企業単位でも、LGBTQに寛容なところは多数ございます。
LGBTQ向け求人サイト「ジョブレインボー」というサービスがありますので、気になる方はぜひ目を通してみてください。
誰もが知る大企業の名前も多くありますよ。
ゲイ関連で気を付けるべきこと
ゲイへの理解は、ゲイ本人とその周りの人がお互いに歩み寄ることで実現しています。
この良き状況を崩さぬよう、お互い以下のことに気を付けていきましょう。
ゲイ本人が気を付けるべきこと
世間に配慮されたいのであれば、周りが配慮したくなるようなゲイになるのが一番の近道。
現在ゲイは、「セックスが汚い」「女性を物扱いする」「関わったらエイズになる」などの偏見を払拭しきれていません。
まずはこの辺りの印象回復に努めましょう。
性感染症対策を忘れずに
セックスする時に一番忘れてはいけないのが、性感染症対策です。
特にHIV感染症(エイズ)患者は、ゲイが多くの割合を占めています。
一度感染したが最後二度と完治しないため、感染予防の徹底が重要となります。
コンドーム+セックス前に以下の予防薬を服用することで、ほぼ確実に感染を防げます。
こういった予防薬を「PrEP(プレップ)」といいます。
非感染者は、これから感染しないために。
感染者は、相手にうつさないために。
お互いに感染予防を行うことが大事です。
過剰な配慮を求めない
世間からゲイへの配慮は、まだ不完全。
ゲイというだけで、各所で嫌な思いをすることもあるでしょう。
しかしだからといって、世間に配慮を強要することは悪手。
「これだからゲイは…」
と悪い印象を与えてしまい、逆にゲイへの風当たりを強くしてしまう恐れがあります。
周りの人が気を付けるべきこと
もしあなたが、ゲイへの理解がない異性愛者だとして、それを責めるつもりはありません。
しかしそれは、ゲイを貶めて良い理由にはなりません。
理解できずとも、ゲイを傷つけないことはできるはずです。
ゲイ本人の気持ちを尊重する
ゲイであることをカミングアウトされた際、その場で露骨に拒絶してはいけません。
暴言を吐いたり揶揄ったりするなど以ての外。
まずは受け止め、ゲイについての知識を深めましょう。
ゲイは怖いものではないということがわかれば、自然と相手への配慮の気持ちもわいてくるはずです。
知らないものが怖いのは当たり前。
しかし知ろうともせずに拒絶するのは人としてNGです。
第三者にゲイとバラさない
「あの人ゲイらしいよ」と他人にバラすことをアウティングと言います。
性的指向は大変センシティブな話題。
気軽に第三者に伝えてはいけません。
例え動機が親切心だとしても関係ありません。
国によってはゲイは死刑に処されるため、アウティングは殺人と同義と思いましょう。
日本でも、損害賠償や労災の対象となったケースがあります。
ゲイになる原因は不明|しかし今はゲイでも生きやすい時代
ゲイになる原因は、まだ詳しく解明されていません。
しかし、胎児期のホルモン・遺伝・兄弟関係などが関与していると考えられています。
明確な原因がわからない以上、ゲイになることは避けられません。
しかし万一ゲイになったとしても大丈夫。
昔と比べ現代は随分ゲイに寛容な世界となってきています。
しかしそのゲイに寛容な世界は、ゲイ本人と周りの人が配慮し合うことで維持できています。
誰もが住みよい世界を守るため、今後もお互い配慮を欠かさぬよう意識していきましょう。
この記事の参考サイト
「異性愛」か「同性愛」かは何で決まる?:日経ビジネス
The Biological Basis of Human Sexual Orientation: Is There a Role for Epigenetics?:カリフォルニア⼤学ロサンゼルス校
兄弟が多いほど同性愛者になりやすい謎 胎児の時に母体から受ける「影響」に秘密:JCASTニュース
「パートナーシップ制度導入自治体:MARRIAGE FOR ALL JAPAN
同性婚、法律で「認めるべきだ」72% 前回から増加 朝日世論調査:朝日新聞
