「煙草を吸うことで簡単に痩せられるのなら試してみたい!」
と思う反面、喫煙で痩せるって本当なのかな?と疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、喫煙とダイエットの関係性を科学的な根拠から徹底解撤します。
3分程で読めますので、喫煙すると痩せられるのか気になっている人はぜひ参考にしてみてください。
ダイエットと喫煙の関係性。喫煙すると痩せる2つ理由
喫煙している人は痩せている人が多く、煙草を吸わない人は喫煙者に比べて太りやすいという傾向があります。
煙草を吸うことで痩せやすい理由はおもにふたつ。
ニコチンに食欲抑制効果があるため
アメリカのエール大学の研究チームは、煙草に含まれるニコチンには食欲抑制作用があることを発表しています。
人間の脳の視床下部には「お腹いっぱい」という満腹感を知らせるニューロンがあります。
そして、ニコチンには脳内のニューロンを活性化する働きがあることが分かっているのです。
そのため、煙草を吸うことで満腹感を感じやすくなり食欲が抑えられます。
その結果摂取カロリーが減って減量につながるというわけです。
参考:AFP BB News
さらに、ニコチンには胃の収縮力を低下させて吐き気や嘔吐を起こす作用もあります。
胃や食道の機能が低下して筋肉がゆるむことで、酸性度の高い胃酸が食道へ逆流してしまい、胃もたれを起こすことも。
また、煙草を吸うと口や鼻などの粘膜が荒れて味覚が鈍感になり、食べ物の美味しさを感じにくくなります。
これらの要因から、煙草によって食欲が落ちて食べる量が減り痩せやすくなるのです。
ニコチンによって脂肪分解が促されるため
煙草に含まれるニコチンには、身体の脂肪分解を促進する抗肥満作用もあります。
京都医療センターによる喫煙と体重の関係性の研究では、煙草に含まれるニコチンは脂肪分解を促してエネルギー消費量を増やすことが発表されています。
以上のふたつの理由から、喫煙者は非喫煙者に比べて体重が増えにくいというのは事実です。
ダイエットのために喫煙するのは有効か?
喫煙することで減量できる可能性はあります。
ダイエットの大前提は摂取カロリーが消費カロリーを上回らないこと。
そのため、煙草によって食欲が抑えられて今までよりも摂取カロリーが減ることにより消費カロリーより少なくなると、痩せられます。
しかし、煙草によってダイエットするのはメリットよりもデメリットのほうが非常に多いのです。
痩せる可能性はあるが、デメリットが多すぎる
科学的にも喫煙で痩せる可能性はありますが、メリットよりもデメリットが多すぎるのでおすすめはできません。
喫煙することで発生するデメリットは以下のとおり。
寿命が平均10年縮まってしまう
6万人を対象とした日本の寿命調査の研究では、喫煙者の平均寿命は非喫煙者に比べて男性8年、女性10年短かったと発表されています。
さらに、たばこを1本吸うと寿命が11分短くなるという報告もあります。
たとえば1日20本たばこを吸うヘビースモーカーの場合、1日で4時間弱も寿命が短くなるという計算になるのです。
参考:日本医事新報社
糖尿病になりやすくなる
喫煙によって血糖値を下げる「インスリン」の効きが悪くなることで、糖尿病になるリスクが高まります。
実際に、喫煙者は喫煙しない人に比べて糖尿病の発生が1.5~2倍多いことが分かっているのです。
さらに、すでに糖尿病の人が喫煙すると糖尿病合併症(糖尿病性網膜症、腎症、神経障害など)のリスクも増加します。
肺がんだけでなく全身のあらゆる部位のがんの原因になる
喫煙は、がんの原因の約30%を占めています。
喫煙といえば「肺がんになりやすい」ということは広く認識されていますが、以下のように全身のあらゆる部位のがんになる危険性も高まるのです。
肺がん、喉頭がん、口腔・咽頭がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、子宮頸部がん など
特に、肺がんや食道がん、肝臓がん、膵臓がんなどは治りにくいがんで、死亡率も高いのが特徴です。
以上のように、喫煙でのダイエットは「痩せる」というよりは不健康になって「やつれる」という意味合いが強いのです。
わざわざ喫煙せずとも、もっと良いダイエット法がある
喫煙すると確かにダイエットには効果的ですが、それと引き換えに大きな健康リスクを負ってしまいます。
わざわざダイエットのために喫煙しなくても、もっと健康的に痩せられるダイエット方法がたくさんあります。
喫煙以外に簡単にできるダイエットとしては、たとえば以下のような方法があります。
ご飯などの主食ではなく野菜から先に食べる
空腹時にいきなりご飯やパン、パスタなどの炭水化物を摂取すると血糖値が急上昇して脂肪として蓄積されやすくなってしまいます。
そこで野菜などの食物繊維を食事の最初に摂ることで、ゆっくりと消化されて血糖値の急上昇を防げます。
その結果脂肪として蓄積されにくくなるので太りにくくなるのです。
食物繊維を多く含む食材は、野菜のほかには海藻や豆類、こんにゃく、キノコ類があります。
間食をカロリーの低いものに変える
ジュースやスナック菓子、チョコレートなどは高カロリーのため、すぐに1日の摂取カロリーをオーバーしてしまいます。
そこで間食を低カロリーでヘルシーなものに変えることで大幅に摂取カロリーを抑えられます。
コンビニでも買える素焼きのナッツ類なら栄養豊富で低カロリーなのでおすすめ。
エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う
階段昇降は立派な有酸素運動です。有酸素運動をすることで、身体の脂肪を直接分解する効果があります。
階段を使うダイエット方法は「この差って何」というテレビ番組でも紹介されました。
番組内で行われた検証では、50代の女性が1日100段(およそ6階分)階段を上る生活を2週間継続。その結果2kg以上の減量に成功しています。
専門家によると、1日に階段を100段上ると消費カロリーは、おおよそ5~6km歩いた場合と同等になるとのこと。
このような有酸素運動は1日20分以上行うと脂肪が燃焼されやすく効果的です。20分連続でなくても、1日の運動時間の合計が20分でも効果は同じです。
以上のように、ただ痩せるだけでなくきれいで健康的に痩せるためにも、喫煙ではなくぜひ上記のようなダイエット方法を試してみてくださいね。